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「頃日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頃日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
でもない。 さて幾度か、茶をかえた。 「これを御縁に。」 「勿論かさねまして、頃日に。――では、失礼。」 「ああ、しばらく。……これは、貴方、おめしものが。」....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、瞬きしつつ、流眄をするのであった。 「別に、一大事に関して早瀬は父様の許へ、頃日に参った事はないですかね。或は何か貴娘、聞いた事はありませんか。」 小さな....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
兼ねているんだな) と私は気がついた。これは横浜へ明治年間に来た西洋人が、その頃日本に珍らしくて且つ高価だった硫酸や硝酸などを生産して儲けたことがあるが、それ....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
日迄、才の字こそは、所謂歳の字の当字であろうと、斯う思い込んで居りましたところ、頃日、名家の墨跡を見、歳の字の件まで参りました所、才の字が書かれてございました」....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
て、そのまま穏かに一日暮れて……空はどんよりと曇ったが、底に雨気を持ったのさえ、頃日の埃には、もの和かに視められる……じとじととした雲一面、星はなけれど宵月の、....
風博士」より 著者:坂口安吾
ぜしめず、むしろ余に対して誣告の誹を発せしむる憾みあるからである。たとえば諸君、頃日余の戸口に Banana の皮を撒布し余の殺害を企てたのも彼の方寸に相違ない....
白井明先生に捧ぐる言葉」より 著者:坂口安吾
愛情や、あれを書かずにいられなかった情熱を読みとることができないとは、白井先生が頃日書く意味もない駄文ばかり書いてるせいなのである。 いったいに文学の反語性に....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ぬ身勝手な仕方であると思い、これは先生の忠言にも従うことが出来なかった。 その頃日本橋通りにワンプライス・ショップという洋品店があり、また神田に中庸堂という書....
地上」より 著者:島田清次郎
た若い老爺のようにされて捨てられたのだ。悪いことか善いことか知らないが、己はその頃日本にようやく伝来しかけていたあの自然主義文学を噛りはじめていたものだ、ゾラや....
神経」より 著者:織田作之助
は「浪花湯」という銭湯である。「浪花湯」は東京式流しがあり、電気風呂がある。その頃日本橋筋二丁目の姉の家に寄宿していた私は、毎日この銭湯へ出掛けていたが、帰りに....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
先生は少小より文思に富み、また経世の識あり。常に筆硯を友として老の到るを知らず。頃日脱稿の三十年史は、近時およそ三十年間、我|外交の始末につき世間に伝うるところ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
於ける兵站衛生作業のあらまし、奉天戦前後に於けるを当時の同僚安井氏の記したるを、頃日『軍医団雑誌』といふのにのせ候趣にて、其別冊数部を送りこし候まゝ、筋違ひのつ....
丸の内」より 著者:高浜虚子
では行けなかった。人力車に乗っても足の弱い老車夫だと相当に時間を費した。 その頃日比谷はまだ公園にならず、草の生えた空地であった。練兵はもうやらなかったが、練....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
大林を一直線に横ぎってビチャゴリという山川の岸にある村に着て宿りました。夜の十時頃日記を認めつつ荒屋の窓から外を眺めますと、明月|皎々として大樹の上を照らして居....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
かりでないことを思いあわせねばなるまい。 しかし、六十年の年月は、さすがに、近頃日本の或一部の内に、内からなる洋風審美の芽が生えて来た。これは一と昔前の日本婦....