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「順当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

順当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
香を送った。それが仁右衛門の血にぐんぐんと力を送ってよこした。 凡《すべ》てが順当に行った。播いた種は伸《のび》をするようにずんずん生い育った。仁右衛門はあた....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
ると、躊躇なく進行するから驚くよ。しかし其時々の現状を楽しんで進んで行くんだな。順当な進行を遂げる人は幸福だ」 「進行を遂げるならよいけれど、児が殖えたばかりで....
」より 著者:ゴーゴリニコライ
彼を考えさせた。かような事態に立ち至ったかぎりは、さしあたり治安の府に訴えるのが順当であった。というのは、直接これが警察に関係のある事件だからというよりも、警察....
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
ているようであった。 ガスコアン大尉とゼラール中尉との交情は、十日ばかりの間、順当に発展した。が、その間に大尉は初めは少しも気がつかなかった苦いかすが、中尉と....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
は正直に白状した。 「復一こそ、この金魚屋の当主なのです。だから金魚屋をやるのが順当なのでしょうが、どういうことになりますか、今の若ものにはまた考えがありましょ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ては理において自らこれが批評家たるあたわず、むしろその説明者または代表者となりて順当にこれを述べざるを得ず。保守論派と国民論派とは欧化時代においてともに現出した....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
?」 「どこへ築いたら可いと思う?」 「成程、こいつあ尤だ。そいつから考えるのが順当だ。……壁に耳あり、喋舌っちゃァ不可ねえ。こいつァひとつ掌でも書きやしょう」....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
云わば彼が故意に延ばしたのであって、既に第一審に於て死刑に決定したのであるから、順当に行けば彼の生命は数年前に断たれた事であろう。だから彼は好んでその苦痛を延ば....
転機」より 著者:伊藤野枝
私は初めて二人きりで会う機会を与えられた。そして、それがすべての場面を一変した。順当に受け容れられていたことが、すべて曲解に裏返された。私はその曲解をいい解くす....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、凄いようで、おのずから五体が緊る、が、ここが、ものの甘さと苦さで、甘い方が毒は順当。 まあ、それまでですが、私の身に附いて心配をしますと云ったのに、私ども二....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いる。人間の霊が永遠の女性に導かれて昇天するよりも、永遠の輪廻の途を輾転するのが順当だと思っているのである。迷妄の中で仏縁にあずかりたいのである。地上の夢の深刻....
剣侠」より 著者:国枝史郎
波川に添い、青梅から扇町谷、高萩村から阪戸宿、高阪宿と辿って行くのをもって、まず順当としてよかった。 この道筋を辿りながら、一人の若い武士と一人の娘とが、旅や....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
た。 まわりのものの心配するほどのこともなく二人は日本人同志の新郎新婦のように順当に半年を過した。アンリーの覚束ない日本語。お京さんの覚束ないフランス語。その....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
す。良人は四十も過ぎているし、私はやっと二十二の春を迎えた許りですし、誰が見ても順当に運んだ新郎新婦とは受取りますまい。良人が父の助手時代は、私はまったくこども....
」より 著者:岡本かの子
して、是非、写真を撮らして欲しいと望んだ。だが、室子がそれを断った。 見合いは順当に運んだ。附添って行った母親の眼にも落度は無いように思われた。 ところが翌....