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順繰り
「順繰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
順繰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を凝視《みつ》めたり、乙者は黙して考えぬ。ますますその後段を渇望せる乗り合いは、
順繰りに席を進めて、弁者に近づかんとせり。渠はそのとき巻莨《まきたばこ》を取り出....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
。八時頃だったでしょう。自動車でドヤドヤと大勢お役人さんが来たの、あたし達みんな
順繰りに調べられたわ。お役人さんて妙ね、髭をはやした立派な身装りをした人が、痩せ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
です。赤ン坊が青春男女になり、青年が一人前になり、男女ざかりが初老になり、老人が
順繰り土の中に入るも自然の推移です。「みみずのたはこと」が出てから十年間に、あの....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
ながら、彼女はほんの僅かしか読み進めず、当もない考のうちに戸惑っていたのである。
順繰りに遅れた昼餐が終ったのは、殆ど三時近かった。 真木は、彼女の何か様子が異....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
が分けられようと、いうのである。 一つ二つ三つ四つ。一つ二つ三つ四つ。 彼は
順繰りに分けていたが、不意に、前後を忘却させたほど強い衝動的な誘惑に駆られて、皆....
「面積の厚み」より 著者:宮本百合子
、面積には、どんな時にでも厚みはないものです。 先に教えられた時にも、一人ずつ
順繰りに繰返して云った時にも、不思議どころか、あんなにも明瞭に解り切っていたその....
「一つの芽生」より 著者:宮本百合子
ニコと心に何のこだわりもない微笑を浮べながら、皆自分よりは強そうな息子達の顔を、
順繰りに眺めては、即興的な批評を与えていた母は、次弟のところまで来ると、非常に微....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
を奈良原到翁に語らしめよ。 「人参畑の婆さんの処にゴロゴロしている書生どもは皆、
順繰りに掃除や、飯爨や、買物のお使いに遣られた。しかし自分はまだ子供で飯が爨けん....
「身辺打明けの記」より 著者:宮本百合子
用なわざはわたしには不可能で、あちこちから三つ四つと一ぺんに頼まれても、一つ一つ
順繰りに書き上げてゆくのです。 朝、ペンを執るとお茶も飲まず何もしないで一気に....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
が、一時大丸の店を一ぱいに占領してお中食《ちゅうじき》をする。それから一休みして
順繰りにくりだす。先頭が両国橋へかかる時分に、まだ中頃のが足揃いをしている。御本....
「二十三番地」より 著者:宮本百合子
て見ると、 「会津へ行くからなのよ。 と云う。 そうして見ると、銀行仲間を
順繰りに呼んでは別れの騒をやって居るのと分るが、そんならそうで、ああ馬鹿放題な事....
「マルコポロから」より 著者:寺田寅彦
人の長上から無能と宣言されただけで首をきられる。するとその下の地位にいる同僚達は
順繰りに昇進してみんな余沢に霑うというような事があるとすると、それはいくらかはこ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
同は、煖炉《オーフェン》の前の床に胡坐《あぐら》をかき、シトロンの大きなコップを
順繰りに廻して「乾杯」をしながら、でたらめな歌をうたって騒いでいた。ベスという大....
「黒船前後」より 著者:服部之総
。商品ではないから、したがってまた「運送」するのでもない。山のごとく積込んだ物を
順繰りに大西洋の底へ沈めてゆく「グレート・イースタアン」は、もはや何らの「商船」....
「童子」より 著者:室生犀星
、坐ってこう言った。 「白いお骨の壺が三つならんでいたので、尋ねると去年の秋から
順繰りに三人の子供が死んだ家があるんだそうです。二人目からそのおくさんがすこしず....