順良[語句情報] »
順良
「順良〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
順良の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
某《ほったぼう》と、近頃《ちかごろ》東京から赴任《ふにん》した生意気なる某とが、
順良なる生徒を使嗾《しそう》してこの騒動《そうどう》を喚起《かんき》せるのみなら....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
さないのみか大《おおい》に嬉《うれ》しがる。当時を思い出すたびに、自分はもっとも
順良なまたもっとも励精な人間であったなと云う自信が伴《ともな》ってくる。兵隊はあ....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
済ましていた。別に降りて見たい気にもならなかったからである。したがって橋本は実に
順良な道伴《みちづれ》を得た訳で、同時に余は結構な御供を雇った事になる。 いよ....
「道草」より 著者:夏目漱石
れた。しかも自《みず》から知らなかった。 四十二 同時に健三の気質も損われた。
順良な彼の天性は次第に表面から落ち込んで行った。そうしてその陥欠を補うものは強情....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
人なり、多分かの民選議院建白にも不同意なりし人なり、大久保参議の時代には現政府の
順良なる同意者なりき、しかして当時に至りにわかに政府に反対して民間の国会論者に同....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、その次が才能という順序になっておりますようで……すなわちこの少年は、日本人式の
順良さと、アイヌ式の尊崇心と、拉甸人種式の頭の良さとを同時に持っているので御座い....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
の底に暗い影となって残っているものであります。極めてヒステリックな婦人又は極めて
順良な女性には又特にこのような点に敏感なのが多いようであります。 このような女....
「予の描かんと欲する作品」より 著者:夏目漱石
そ》んな考えはない。必ずしも自意識の強い女はああ云う風に終るもので、お糸のように
順良な女は、ああ云う結果になると定《きま》ったものではない。従って、あの作に異っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らゆる動物が彼を慕うて来る、毒蛇でさえも、狼でさえも――いわんや動物のうちの最も
順良なる牛が、こうして、なついて来るのは、茂太郎にとっては少しも不思議なことでは....
「大いなるもの」より 著者:宮本百合子
面を被うて、たよりない涙に※ぶ様になる程であるか。 私は静かに目を瞑って想う。
順良な、素直な老いた母は、我子等の育い立ちを如何ほど心待って居る事であろう。 ....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
つ。 年は二十を越ゆるようやく三つ四つ、背高く肉やせたり、顔だち凜々しく人柄も
順良に見ゆれどいつも物案じ顔に道ゆくを、出であうこの地の人々は病める人ぞと判じい....
「経世の学、また講究すべし」より 著者:福沢諭吉
り。心事顛覆したり、また判断の明識あるべからず。かくの如きはすなわち、辛苦数年、
順良の生徒を養育して、一夜の演説、もってその所得を一掃したるものというべし。 ....
「入社試験」より 著者:佐藤垢石
堅記者は、誰も彼もが飲む、買う、喧嘩の猛者であった。私は、入社前までは虫も殺さぬ
順良な青年であったのであるけれど、純美な花蓮(?)もとうとう、見よう見まねで泥水....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
恵みです。どうぞ私のために祈って下さい。 私はあなたのアリストクラチックな高雅
順良なひととなりを、心から懐かしく思っています。どうぞふしあわせな私を忘れずに祈....