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「順風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

順風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
う》したきは山々なれど雨に妨《さまた》げられて舟を出でず。やがてまた吹き来し強き順風に乗じて船此地を発し、暮るる頃|函館《はこだて》に着き、直《ただ》ちに上陸し....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
られるはずがないということを知って、私はそれからボートに乗りこみ、出帆した。強い順風をうけて間もなくモールトリー要塞《ようさい》の北の小さい入江に入り、そこから....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ゃべれないね。とにかく万全の用意をととのえていることだ。死地に落ちてもなげかず、順風に乗ってもゆだんせずだ。ねえ、そうだろう」 「はあ」 テッド隊長は、サミユ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
けり 〔巻十五・三六九七〕 新羅使 新羅使の一行が、対馬の浅茅浦に碇泊した時、順風を得ずして五日間|逗留した。諸人の中で慟いて作歌した三首中の一つである。浅茅....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
まくりあげていた。その腕には数箇処に文身がしてあった。「幸運あり」というのと、「順風」というのと、「ビリー・ボーンズのお気に入り」というのが、二の腕にごく巧みに....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
だろうね、給仕?」 「さようでございます、旦那、もしお天気が持ちまして風が相当の順風でございますればね。潮は午後の二時頃にかなり工合よくなりますでしょう、はい。....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
マザガン港を出発せり。針路を南に南にと取って、アフリカの西岸にそい、おりから吹く順風に帆は張り切れんばかり、舳に砕くる波は碧海に玉を降らし、快速力は汽船もおよば....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
道を越えようとしている。 若人のあこがれ、海のロマンチシズムは帆船生活にある。順風に、十度ほど傾いではしる総帆の疾走。波音と、ブロックの軋めきのほかは何もない....
三枚続」より 著者:泉鏡花
に就いて竜を黙想しつつありしがごとき、奇体なる人物は、渾名を外道と称えて、名誉の順風耳、金之助と同一新聞社の探訪員で、竹永|丹平というのであった。 軒の柳、出....
迷信解」より 著者:井上円了
に吉凶なき道理を示したものである。あたかも港にかかる船の、東方に行く者は、西風を順風といい東風を悪風といい、また西方に行く者は、東風は順にして西風は逆となる。も....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の士族の株を買って得意になって武家を気取っていた。が、幕府が瓦解し時勢が一変し、順風に帆を揚げたような伊藤の運勢が下り坂に向ったのを看取すると、天性の覇気が脱線....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いし神よ、我ら膝まずき、つつしみて祈り参らす、願わくばわが軍の作業に栄あらしめ、順風をもってその航海を導き給え。勝利を速やかならしめ、凱旋によりて、わが国土を飾....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
イアン灯台を望み、亜細亜号英船に会す。わが船すでに台湾海に入る。 十日、曇晴。順風、波また高からず。暁天、アモイの沖にあり。淡水港と往復の帆船を波間に見る。 ....
古事記」より 著者:太安万侶
になりました時に、海中の魚どもは大小となくすべて出て、御船を背負つて渡りました。順風が盛んに吹いて御船は波のまにまに行きました。その御船の波が新羅《しらぎ》の國....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
に乗り、マツダランプの箱がウラジオからロシアへぐんぐん伸びていった。事業は猛烈な順風に、帆もさけんばかり。躍進また躍進である。大正四年横網町の安田家の裏へ、初め....