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「須走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

須走の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
ように、長い舌の形によって、その舐《な》めた痕跡が残る。私が富士山の御殿場口と、須走《すばしり》口の間で見たのは、雪解の痕が砂を柔かく厚く盛り上げて、幾筋ともな....
行人」より 著者:夏目漱石
ばらく寝て見た。すると三沢といっしょに歩く時の愉快がいろいろに想像された。富士を須走口《すばしりぐち》へ降りる時、滑《すべ》って転んで、腰にぶら下げた大きな金明....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
でも踏み入ろうものなら一|刻の間に流砂と共に裾野まで一のしたものである。――これ須走りの語源である。もっともそれは東口駿河の国に向いた方のある一所に限られたこと....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
の水車 本年の富士登山二回の中、第一回は大宮口から頂上をかけて、途中で泊らず、須走口に下山、第二回は吉田口から五合目まで馬で行き、そこの室に一泊、御中道を北か....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
士山が爆発して噴火口の傍に一つの山を湧出した。これがいわゆる宝永山である。山麓の須走村は熔岩の下に埋没し、降灰は武相駿三箇国の田圃を埋めた。その宝永の五年十一月....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
笑いながら、手をうしろへ廻して、ポンポンと背嚢《ルックザック》をたたいて見せた。須走《すばしり》の方へ峠を降りきると、四人は昼食をするために道ばたへ立ちどまった....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
年まで約三百年の間に九回の噴火をしている。その度に大小の災害はあって、ひどいのは須走口一合目に在る小富士を噴出させたり、精進湖と西湖は、もと一つの湖であったのを....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の二種を聴き分けることは出来ないが、この頃ここへ来るのはずっと小さいから、多分は須走で出逢ったコカワラヒワの方であろうと思う。それとマヒワとが餌箱以来盛んにこの....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
あって、以前は、必ずそこで古い草鞋をぬぎかえました。そうして登山者が、踏み降した須走口の砂は、その夜のうちに再び山の上へ帰って行くともいいました。 伯耆の大山....