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「預け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

預けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
とう》を出した、人出入の少い土蔵造《どぞうづく》りの家《うち》へ大きい画集などを預けることにした。が、前借の見込みも絶え、父母兄弟とも喧嘩《けんか》をした今は、....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
に代って、微笑しながらこう云った。伝右衛門の素朴で、真率《しんそつ》な性格は、お預けになって以来、夙《つと》に彼と彼等との間を、故旧《こきゅう》のような温情でつ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の暮方《くれがた》、若者は例の草山の楡《にれ》の根がたに腰を下して、また素戔嗚に預けられた勾玉を掌へ載せて見ながら、あの娘に云い寄るべき手段をいろいろ考えていた....
忠義」より 著者:芥川竜之介
修理《しゅり》は、越中守が引きとった後《あと》で、すぐに水野|監物《けんもつ》に預けられた。これも中の口から、平川口へ、青網《あおあみ》をかけた駕籠《かご》で出....
或る女」より 著者:有島武郎
できたのみならず、葉子は充分の仕送りを定子にして、なお余る金を女らしく毎月銀行に預け入れるまでになった。 しかしそれとともに倉地はますますすさんで行った。目の....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
のかね、ええ、君。」 と太《ひど》く書生ぶって、 「だから、気が済まないなら、預け給え。僕に、ね、僕は構わん。構わないけれど、唯《ただ》立替えさして気が済まな....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の時女房に勘当されたが、やっとよりが戻って以来、金目な物は重箱まで残らず出入先へ預けたから、家には似ない調度の疎末さ。どこを見てもがらんとして、間狭な内には結句....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
か、三題話のようですが、凄いでしょう。……事実なんです。貞操の徴と、女の生命とを預けるんだ。――(何とかじゃ築地へ帰られねえ。)――何の事だかわかりませんがね、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を乗取る了簡。 いつものように黄昏の軒をうろつく、嘉吉|奴を引捉え、確と親元へ預け置いたは、屋根から天蚕糸に鉤をかけて、行燈を釣らせぬ分別。 かねて謀計を喋....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、……この桑名の島屋とは、行かいはせぬ遠い中でも、姉さんの縁続きでござんすから、預けるつもりで寄越されましたの。」 「おお、そこで、また辛い思をさせられるか。ま....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
驚したように顔を見たが、 「そこに穿いていらっしゃるじゃないの。」 実は外套を預けた時、札を貰わなかったのを、うっかりと下足札。ああ、面目次第もない。 騎士....
縁結び」より 著者:泉鏡花
て、共同墓地にした時に、居まわりに寺がないから、この御堂を建立して、家々の位牌を預ける事にした、そこで回向堂とも称うるので、この堂守ばかり、別に住職の居室もなけ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いか、お婆さん、そんなら私は行くわいの。」 「茶一つ参らぬか、まあ可いで。」 「預けましょ。」 「これは麁末なや。」 「お雑作でござりました。」 と斉しく前へ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
と取りつつ、冷水の洋盃を長く差伸べて、盆に返し、 「沢山だ。おい、可いか、島野、預けるぜ。」 屹と向直って、早く手綱を棄てようとする。島野は狼狽えて両手を上げ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
いった時には歯車ももう消え失せていた。が、頭痛はまだ残っていた。僕は外套や帽子を預ける次手に部屋を一つとって貰うことにした。それから或雑誌社へ電話をかけて金のこ....