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預り所
「預り所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
預り所の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
な損を招いて、母を置き去ったまま、何処かへ出奔して了ったのです。残された母は妊婦
預り所へ泣き入って、絶望と悲愁の中に、私を生み落したので御座いました。それから私....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
した中でも、この種の商売を殆ど公然の秘密のように行っていたのは、今でもある悪姙婦
預り所であった。つまり女医や産婆の宅あずかりである。殊に面白い――といってはわる....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
ば病院のような大規模なところよりも、むしろ家庭のような行届いた場所で少数の患者を
預り所謂家庭看護を施したほうが成績もよいわけだし、第一看護の原則としても一人の患....
「帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
術とのある関係を想わせる。この自動車と相対して、おそらく我が日本だけに特有な下足
預り所なるものがある。「ステッキはコチラデスヨー」などという極めてプロレタリアン....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
ている。そういう用を便じるために、入場券だけは買う。 金網の間を通って、下足の
預り所へ行く。
預り所のおばさんが、化粧箱を受取りながら、お愛想をいってくれる。 ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
そして亀吉の喋ったのは、こうだった。 ――昨夜、亀吉は大阪駅の東出口の荷物
預り所で、脊中の荷物を預けている復員軍人を見た。 亀吉は何思ったか、寄って行っ....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
トトギス発行所をこの丸ビルに移転することになった。下駄は雪駄に替えた。それに下足
預り所の設備があった。雨の降る日は下駄を上草履に替えた。少しも不便を感じなかった....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
焼鳥、焼そば、焼芋の紅提灯が次々と点されている、射的場、化粧品店、輪タク、自転車
預り所、美容院、さては深更《よふけ》まで営業している理髪店まであるに至っては、私....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
と、幾度《いくたび》となく来馴れたわたくしの歩みは、意識を待たず、すぐさま自転車
預り所《どころ》と金物屋との間の路地口に向けられるのである。 この路地の中には....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
どの高層建築は、人里離れた山の中腹や、物淋しき郊外の草原に孤立させ、広大な自動車
預り所を設けて、市中より乗りつけるお客を待つのであります。都会生活がそのままそっ....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
事は、為政者の方でもしばしば問題となったのであった。文政元年十二月、松平越後守お
預り所の役人より、左の如き伺いが幕府へ出た。 一、穢多僧取扱方之儀伺 越後守お預....