頑丈[語句情報] »
頑丈
「頑丈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頑丈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ちばんはばかられているのを葉子は知っていた。五十川女史が四角を思い出させるような
頑丈《がんじょう》な骨組みで、がっしりと正座に居直って、葉子を子供あしらいにしよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
向かずにだんだん波止場から遠ざかった。海ぞいに立て連ねた石杭《いしぐい》をつなぐ
頑丈《がんじょう》な鉄鎖には、西洋人の子供たちが犢《こうし》ほどな洋犬やあまに付....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
笠井に傘《かさ》をさしかけさせて出て行った。労働で若年の肉を鍛《きた》えたらしい
頑丈《がんじょう》な場主の姿は、何所《どこ》か人を憚《はば》からした。仁右衛門は....
「星座」より 著者:有島武郎
して園にその電報を手渡した時、園も一種の不安を覚えないではなかったが、まさかあの
頑丈な父が死ぬものとは思っていなかった。文言を読んだ時でも父が死んだようには考え....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
られないのが他の特長だ。兎は弱い動物だ。その耳はやむ時なき猜疑に震えている。彼は
頑丈な石窟に身を託する事も、幽邃な深林にその住居を構えることも出来ない。彼は小さ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
りの実験室には、所も狭いほど、大きな試験台や、金具がピカピカ光る複雑な測定器や、
頑丈な鉄の枠に囲れた電気機械などが押しならんでいて、四面の鼠色の壁体の上には、妖....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
る簡単なもので、一枚板に足がついているだけのものだったが、ぶつかってみると仲々|
頑丈で、こっちの腕が痛くなった。超ジュラルミンか何かで出来ているらしい。 抵抗....
「古狢」より 著者:泉鏡花
。さあ何時頃だったろう。何しろ真夜半だ。厠へ行くのに、裏階子を下りると、これが、
頑丈な事は、巨巌を斫開いたようです。下りると、片側に座敷が五つばかり並んで、向う....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
だ、さあ、ござい、ござい。」 と抱込んだ木魚を、もく、もくと敲きながら、足腰の
頑丈づくりがひょこひょこと前へ立った。この爺さん、どうかしている。 が、導かれ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
かけた羽織の、裏の媚かしい中へ、さし入れた。手首に冴えて淡藍が映える。片手には、
頑丈な、錆の出た、木鋏を構えている。 この大剪刀が、もし空の樹の枝へでも引掛っ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に薄い赤い亀裂が出来て、透明な雲母のようにぎらぎらしていた。おまけに、生まれつき
頑丈な体は墓の中から出て来ても依然として怪物のような格好をしていた上に、忌にぶく....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
始めた。良平は独りいらいらしながら、トロッコのまわりをまわって見た。トロッコには
頑丈な車台の板に、跳ねかえった泥が乾いていた。 少時の後茶店を出て来しなに、巻....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
目に見すごしてやった。だが、処罰が二人前になって十分にふりかかるのは、生意気な、
頑丈な、片意地な、尻の大きいオランダ人の腕白小僧だった。そういう子供は、鞭のもと....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
は難有かった、と思いました。……それに、言わるれば、白粉をごってり塗けた、骨組の
頑丈な嫂というのには覚えはあるが、この、島田髷には、ありそうな記憶が少しもない。....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
は、笹葉にかくれて、崖へ半ば踞んだが、黒の石持の羽織に、びらしゃら袴で、つり革の
頑丈に太い、提革鞄を斜にかけて、柄のない錆小刀で、松の根を掻廻わしていた。 「…....