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頑健
「頑健〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頑健の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
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病弱な修理は、第一に、林右衛門の
頑健な体を憎んだ。それから、本家《ほんけ》の附人《つけびと》として、彼が陰《いん....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
よ。おや、なんてえ滑《すべ》っこい肌だろう」
この、疲れをしらない石人のような
頑健さ。時々ケティは弱いケルミッシュの生杖《いきづえ》になっていた。
しかし、....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
れ交ると見える。調べられる支倉はいつまでも休息を与えられないのだとすると、いかに
頑健な彼でも、遂には反抗の力が尽きる時が来るだろうと思われる。 「いや、何でもな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
籠本陣の吉左衛門なぞがもはやこの世にいないばかりでなく、同時代の旧友であれほどの
頑健を誇っていた金兵衛まで七十四歳で亡き人の数に入ったが、あの人たちに見せたらお....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
造氏はもう五十を越していた。斑白頭の瘠せこけた病身の人で、喘息が持病であったが、
頑健な翁によく舞台の上で突飛ばされた。当時二十歳前後の屈強の青年であった梅津利彦....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
で出会った時、彼もまたそのことを記憶していて思い出話をしたことである。そのかなり
頑健そうであった彼がすこぶるたよりない私よりさきへ死んで行くとは思えなかった。 ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、もう少し気を呑気にかつシッカリ持って、ゆっくり体を養ってくれ。 僕は相変らず
頑健、読書に耽っている。しかし例の「新兵」で思ったより刑期も延びて、別に急がぬ旅....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
まれない人で、中年に夫人を失ったのが晩年の孤独のキザシであった。彼自身は生れつき
頑健な体質で病気知らずと人の羨む体質だったが、死んだ夫人は病弱だったせいか、生れ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
「これは極東の教主様の、御意の通りと存じます」 老将軍とでも形容したいような、
頑健な老武士はこう応じたが、その声には一種の不快さがあって、信用の置けない老獪な....
「初雪」より 著者:秋田滋
た。 「何か変ったことでもあったかね? どうだい、ご機嫌は?」 良人は幸福で、
頑健で、ねッから欲のない男だった。こうして簡易な、健全な、穏やかなその日その日を....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
熱中したりして頗る元気|溌剌たる娘時代を過したようであるが、卒業後は概してあまり
頑健という方ではなく、様子もほっそりしていて、一年の半分近くは田舎や、山へ行って....
「しゃもじ(杓子)」より 著者:佐藤垢石
いや、僕ではない、近所の青年が度胆を抜かれよった。 さては、彼の狸め、今もって
頑健であるとみえるな。 怪物「しゃもじ」のことについては拙著「狐火記」のうちに....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
月日の間に、鮎はどんなに水や岩と闘ったか知れない。後閑地先へ足を止めたとき、鮎は
頑健そのものになっている。身の上八、九寸、四、五十匁から百匁近くまで育っている。....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
で多少は医者の心得もあったらしい。医者の不養生というほどでもなかったろうが、平生
頑健な上に右眼を失ってもさして不自由しなかったので、一つはその頃は碌な町医者がな....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ムだ、パンだ。 「どうですい。」と、白髪白髯の、そして朱面の、白い麻の支那服の、
頑健そのもののN老人が立ちながら、その頭の上の蕗の葉の一つを仰いだ。 驚くべき....