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「頑愚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頑愚の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
を持ち得たからである。 百五十一 けれども自然は思ったより頑愚《かたくな》であった。二人はこれだけで別れる事ができなかった。妙な機《はず》....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
女だな、意味も何にも無いと云うに」 「そんなら、品物の方もあとはありません」 「頑愚《がんぐ》だな。それでは勝手にするがいい。俺はもう盗難告訴を書いてやらんから....
野分」より 著者:夏目漱石
また飄然《ひょうぜん》として任地を去った。去る時に土地のものは彼を目《もく》して頑愚《がんぐ》だと評し合うたそうである。頑愚と云われたる道也はこの嘲罵《ちょうば....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
妹達には昼寝の振して背中を向け横になった。そしてひそかに出て来る涙を抑えた。私も頑愚で人に自分の思うことを曲げられないあつかい難い女かも知れない。しかし、麻川氏....
近時政論考」より 著者:陸羯南
るものを見て水と謬ることはすなわちあるいはこれなしと言うべからず。いわんや、世に頑愚固陋の徒あり、衆民多数の康福を主張するを指して叛逆不臣の説となす、世に狡獪|....
源氏物語」より 著者:紫式部
たお年なのであるが、もう晩年になった気があそばされて白楽天のその詩の続きの『慎勿頑愚似汝爺』を歌いたく思召したかもしれない。あの秘密にあずかった者がここの女房の....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
を汚し産を破りて貧困に陥り、気力ようやく衰えて家産すでに尽くるに至れば放蕩変じて頑愚となり、すなわちその子に向かいて孝行を責むるとは、はたしてなんの心ぞや。なん....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
山河は、ただ美しいのみで不産女の風景といってもいい。でなければ郷土の血液がよほど頑愚か、どっちかであるが、やはりここには人傑が出ていた。領主の柳生家の血が証拠だ....
三国志」より 著者:吉川英治
早く降伏を乞わざるか。われは、革新の先鋒たり。時勢はすでに刻々と革まるを、汝ら、頑愚の眼にはまだ見えぬか」と、関城の下でどなった。 華雄はこれを聞いて、 「笑....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 正成は、しきりにうずき出る智恵を、そばから自身否定し去っていた。籠城はただ頑愚なほどの辛抱にあるとおもう。ここの地勢は天険なのだが、妄想はそれに不安を感じ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
っかり愛想をつかされてしまったらしい。いや、みんなが呆れてしまって、旧弊も旧弊、頑愚度すべからずと笑われていると消息して来た。それがまだ二十三、四の青年だからね....