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「頒つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頒つの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
い事に成った 斯く旧慣破壊で他へ迷惑を及ぼしたのみでなく、自己が「予約会員にのみ頒つもので一冊売りは断じて致しません」と書いた事も反古にされ、今は何処の本屋にて....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
えば翁も一夢の感があろう。翁はまた此様なものを作ったと云って見せる。場内の農家に頒つ刷物である。 日々の心得の事 一 一家|和合して先祖を祭り老人を敬....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
来たったのであろう。 故にかれらは己の病いにもこれを応用し、兼ねては人にもよく頒つがため、いつもその持合なき時が多く、小使銭に至っては宵越しさせぬというだけに....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
な筆に成った現代文豪の肖像画等があった。新らしいものではあるが、是等は大抵多数に頒つを目的としないで、三百乃至五百、中には僅に五十部乃至百部を限った出版もあるゆ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を憂い神に牲すると、牲火より神現じ天食を王に授く。その教えに任せて王これを三妃に頒つにその一人分を鷲《わし》が掴《つか》んで同じく子を求めて苦行中のアンジャニ女....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れだけ余計に働いて貰わねばならないのでありますから、私はこの労に酬いるため福袋を頒つ事に致しました。その方法は平日の売上高の二割増を境として、この福袋線を超加し....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
のはない、大人も小児も賢者も智者も苟も病気ならざる限り如何なる人と雖も、其興味を頒つことが出来る、此最も普遍的な食事を経とし、聖人の教と雖も是には過ぎない、それ....
将来の日本」より 著者:田口卯吉
春、始めて一書を著わし、題して『十九世紀の青年及び教育』という。これを朋友子弟に頒つ。主意は泰西の理学とシナの道徳と並び行なうべからざるの理を述ぶるにあり。文辞....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
る満足――才能と教養と権力との群がり立つ生活――だが、それがきたときには、喜びを頒つ家族のものは一人としていないのだった。ただ奇妙な喚き声が、ゴオハンベリイの静....
三国志」より 著者:吉川英治
これはお礼として、あなたに差上げましょう。茶は、故郷に待っている母の土産なので、頒つことはできませんが、剣は、あなたのような義胆の豪傑に持っていただけば、むしろ....
三国志」より 著者:吉川英治
進の恩に浴した将軍たちの名はいちいち挙げきれないが、玄徳は、この栄を留守の関羽に頒つことも忘れなかった。 関羽のみでなく、その下にあって、よく後方を守ってくれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
府の諸司 女官、僧侶にまで 一|跡二跡と 内奏より申し賜はりければ いまは武士に頒つべき地も 闕所すべて、残り少なになりにける などと見える。 これほどでな....
予が出版事業」より 著者:柳田国男
ら填めようという内々の心構えをして、恐る恐る五十銭という定価を付けて見た。知友に頒つのは二百部でも十分なのを思い切って三百五十刷らせて見た。印刷所の支配人が書店....