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「頓服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頓服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
か》にもおり終《おお》せない自分には――煩悶《はんもん》の解熱剤《げねつざい》を頓服《とんぷく》しなければならない自分には――神経繊維の端《はじ》の端まで寄って....
三四郎」より 著者:夏目漱石
である。三四郎は代診と鑑定した。五分ののち病症はインフルエンザときまった。今夜|頓服《とんぷく》を飲んで、なるべく風にあたらないようにしろという注意である。 ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
を見ると、一個は「阿片|丁幾《ちんき》(毒薬)」と記して有る、一個は「発病の際|頓服《とんぷく》す可し」とあり、残る一個は単に「興奮薬」とのみ記して有る。医学の....
わが町」より 著者:織田作之助
わらなかった。よぼよぼの爺さんが、いまだに何十年か前の薬剤師の免状を店に飾って、頓服を盛っているのだった。もぐさが一番よく売れるという。 八百屋の向いに八百屋....
臨終まで」より 著者:梶井久
ていましたが、其処へ弟がやって来ますと、早速その声をききつけて、直ぐ医者へ行って頓服をもらって来てくれと言います。弟が、今頃行っても医者は往診で不在だから駄目だ....
愚人の毒」より 著者:小酒井不木
ちあなたの診察を乞うたのでした。その結果、おそらく食物の中毒だろうという診断で、頓服薬をお与えになりますとその効があらわれて、夕方になると嘔吐は治まり、熱も去っ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
白かった。咳がたえず出た。熱が少し出てきたと言って、枕もとに持って来ておいた水で頓服剤を飲んだ。二人の胸には、中学校時代、「行田文学」時代のことが思い出されたが....
」より 著者:徳田秋声
今夜がもう絶頂だといって、院長が夜更に特別に診察にまわって、心臓の手当てらしい頓服をくれた前後の二、三日は、笹村は何事をも打ち忘れて昏睡に陥っている子供の枕頭....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゆくりのないことです。 兵馬は熱をとってしまおうとして、用意の薬を熱湯に注いで頓服し、そうして蒲団《ふとん》の温みに圧《お》されて、昏睡的《こんすいてき》に眠....
二つの途」より 著者:豊島与志雄
診察を済すと彼は、ヂガーレン注射を日に八回行うように看護婦に命じた。それから頓服薬の処方を書いた。 本田が辞し去る時、木下は彼を画室に呼び込んだ。 「容態....
程よい人」より 著者:豊島与志雄
――この節は、病気をしたらとてもいけませんね。診察料のほか、注射薬、飲み薬、頓服薬と、どれもこれもばか高いし、その上に滋養物をとらなければならないし、僕のよ....
猫捨坂」より 著者:豊島与志雄
ったろう。だが実は、俺にもそういう経験があるのだ。 母がまた疼痛に苦しみだし、頓服の鎮痛剤があいにく無くなっていたので、夜分ながら、医者のところへ薬を貰いに行....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
痛を訴えた。医者に診てもらうようにすすめたが、イヤがるので、私の家につれてきて、頓服をのませて、ねかせた。一夜苦しんでいたのだが、苦しいかときくと、ニッコリして....
遁走」より 著者:葛西善蔵
男だ!」と、思わずにはいられなかったのだ。 私は平生から用意してあるモルヒネの頓服を飲んで、朝も昼も何も喰べずに寝ていた。何という厭な、苦しい病気だろう! 晩....
わが町」より 著者:織田作之助
局もかわらなかった。よぼよぼの爺さんが未だに何十年か前の薬剤師の免状を店に飾って頓服を盛っているのだった。もぐさが一番よく売れるという。八百屋の向いに八百屋があ....