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頓狂
「頓狂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頓狂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た。と、齒のない口の中が見える。
「やあ舌がある。」
前に鼻歌をうたった男が、
頓狂《とんきょう》な声で、こう言った。それにつれて、一同が、傷も忘れたように、ど....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
日章旗が現れなぞすると、必ず盛な喝采《かっさい》を送った。中には「帝国万歳」と、
頓狂な声を出すものもあった。しかし実戦に臨んで来た牧野は、そう云う連中とは没交渉....
「或る女」より 著者:有島武郎
い笑い言ってからくるりッと葉子のほうに向き直って、田川夫妻には気が付かないように
頓狂《とんきょう》な顔をちょっとして見せた。
横浜で倉地のあとに続いて船室への....
「星座」より 著者:有島武郎
胸の中で回想していた。
柿江は自分が何の気なしにすることが、どうかすると人には
頓狂《とんきょう》に見えて、それが一つの愛嬌《あいきょう》にされているのを意識し....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
残って、手術器械をカチャカチャと片づけているばかりだった。 「あ、そんなに――」
頓狂《とんきょう》な声を上げて、看護婦が飛んできた。 「お動きになってはいけませ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
帰ったら重役にそういう船を買うよう話をして置こう」 「あっ、そうだ」 ドレゴが
頓狂な声をあげて船長の腕をおさえた。 「船長。この船はアメリカからこのアイスラン....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
、向うから二番目に、キミちゃん、まだ寝ているわ」と女給頭のお富が彼の膝頭の辺から
頓狂な声をあげた。 「そうか。僕は二時頃まで、ちょいと寝たいんだ、あとからウンと....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、四八六九、四三二七、……紅子」 「ああ、矢張り紅子さんだったんだ!」 真弓は
頓狂な叫び声をあげて、その小さい紙片を握りしめた。さっき、自動車の幌の裡に、チラ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
発見しましたわ」ネジ廻しを握って、器械のパネルに木ネジをねじこんでいたダリアが、
頓狂な声を張りあげた。 「どうしたんだい」深山学士は増幅器の向うから顔を出した。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
リと痩せ細ってみえた。 ――ジュリア、帰って睡ってこい! と、続いて二階から
頓狂な声が響いた。 ジュリアはいつの間にか力なく下に垂れた顔を、またハッとあげ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
のだった。 下宿では、朝日を浴びて洗濯ものを乾していたお内儀が、彼を見つけると
頓狂な声をあげて近づいてきた。 「あらまア、大隅先生。わたしゃ心配していましたが....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
るとき、キョロキョロとあたりを見廻していた牛丸平太郎が、突然、 「あっ」と、素っ
頓狂な声をあげた。 「あれを見い、みんな、あれを見い、えらい宝や、宝の山が吹きこ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
るぜ。ホラ、あそこんとこを見てみろ……」 登山がえりらしい学生の一団の中から、
頓狂な声がひびいた。――「将棋をさしている奴がいる」 その声に、室内の人々はあ....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
をくりかえすことを発見した。そこへ梯子段をミシミシいわせて上って来た下宿の女将が
頓狂な声を張りあげた。 「先生は、鵜烏の水くぐりを夜店でお売りになるのですか」 ....
「瘤」より 著者:犬田卯
を見たら、へんな顔してしまって、畜生――」 「あれッ、あの阿女っちょか」と助役が
頓狂な声を上げた。 「それで奴、どうしても俺の前へ出て来ねえ。呼ぶとますますそっ....