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「領分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

領分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
いらっしゃるでしょうよ。見えるようですわね」 と水を向けると、木村は始めて話の領分が自分のほうに移って来たように、顔色をなおしながら、事務長をそっちのけにした....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
六羽、また、七、八羽、横にずらりと並んで、顔を出しているのが常である。 或殿が領分巡回の途中、菊の咲いた百姓家に床几を据えると、背戸畑の梅の枝に、大な瓢箪が釣....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
。むしろこれはアメリカに南北戦争はなやかなりしころの、いとも事古りたる人道問題の領分である。 私は映画界の末席をけがす一人の人間として、かくのごとく不可思議な....
顔の美について」より 著者:伊丹万作
にまで手を出せるわけのものではあるまい。 人生の美に関する問題はすべて美術家の領分である。その美術家といえども神の造つた肉体に手を加えるなどという僭越は許され....
深夜の市長」より 著者:海野十三
と思った。だから「深夜の市長」への伝達は明日――といっても、本当はもう既に今日の領分に入っているが――にしようと決心した。それでまた元の丸ビル前まで出て、丁度そ....
」より 著者:海野十三
のが、あの奇病を起させたのじゃないですか」 医学士は黙っていた。その答えは彼の領分ではなかったから。 大江山捜査課長も黙っていた。目の前に現われた事実が、帆....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ね」 と、検事は事のついでに、この自信満々の主に糺《ただ》した。 「それは私の領分じゃないんですよ。鑑識課員と裁判医は、それについてもっと明確な報告をしてくれ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
ないが、私はいささかも不祥と思わん、忌わしいと思わない。 これを見ないか。私の領分に入った女の顔は、白い玉が月の光に包まれたと同一に、いよいよ清い。眉は美しく....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
麿の木像を献じた。お覚えのめでたさ、その御機嫌の段いうまでもない――帰途に、身が領分に口寄の巫女があると聞く、いまだ試みた事がない。それへ案内をせよ。太守は人麿....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
らく仏教の僧侶などに監督を任せることもある。――イヤしかしそなたの質問は大分俺の領分外の事柄に亘って来た。産土のことなら、俺よりもそなたの指導役の方が詳しいであ....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
みました。このはげしいうずのながれの、しかもまん中をとおって行くほかに海の魔女の領分にはいる道はありませんし、それも、ながいあいだ、ぶつぶつ煮えて、あわだってい....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ウ強ク今日ノ日ヲ待ツテイタカタカナヲ登用スベキ時期デアロウ。(コノ項ハ活字以外ノ領分ニ脱線シタ。) 三、ヒラガナトイウモノハソノ素性ヲ探ルト、イズレモ漢字ヲ極端....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
と中間二人とを供に連れて来たのだが、箱根風越の伊豆|相模の国境まで来ると、早くも領分諸村の庄屋、村役などが、大勢出迎えて、まるで殿様扱いにして了うのであった。 ....
怪談劇」より 著者:岡本綺堂
傾きがある。 小山内薫氏が曾て云われた通り、怪談は所詮「怪談」で、ストーリーの領分に属するものらしい。劇として怪談の凄味を見せようとするのは、昔でもなかなかむ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ても決して発見されない椿岳独特の一線一画がある。椿岳には小さいながらも椿岳独自の領分があって、この領分は応挙や探幽のような巨匠がかつて一度も足を踏入れた事のない....