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頤使
「頤使〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頤使の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「南島譚」より 著者:中島敦
とも度重なった。妻以外の女に手出しが出来ることを知ってからも久しくなる。島民等を
頤使《いし》して、舟庫を作らせたり祭祀をとり行ったりもした。司祭《コロン》に導か....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の名で正月の二十五日あたりからすでにその催促を万石以上の面々に達し、三百の諸侯を
頤使した旧時のごとくに大いに幕威を一振しようと試みていた。 諸物価騰貴と共に、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
き止めた。――(ガマーシュの言うところによれば、そういうところにいる人々は皆彼の
頤使《いし》のままになるらしかった。)――そしてガマーシュの申し出はクリストフに....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
つのヴァライエティだけが生活の全部で、槇子姉妹《まきこきょうだい》に奴隷のように
頤使《いし》されるのをたいへん光栄に存じている。ところで、この社交室に欠かしたこ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
であろうな」 と、立った所で、四人の者を見廻した。 あだかも、自己の家来でも
頤使するように、 「こんどこそ弦之丞めを刺止めてしまわねば、絶大な恥辱じゃ。近く....
「三国志」より 著者:吉川英治
ではないか。そのふたりが漢朝の宗室たる劉玄徳を伐ちに向われるか。しかも逆臣の命に
頤使されて」 「いったい、足下はそのような言を本気でいうのか」 「ああ、残念。将....
「三国志」より 著者:吉川英治
をむすび、或いは、蜀と一時的休戦をして矛を逆しまにするやもしれない。さりとて彼の
頤使に甘んじて、蜀を伐つには、その戦費人力の消耗には、計り知れぬものがあり、これ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かし、いつまでたっても、彼女には、武家生活に溶け込めず、そして目下の男女を目下と
頤使するような思い上がりにもなれないのだった。そして、いつも心のすみのどこかには....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
であった。 けれど慎吾には、この山村生活も何の意味をなさなかった。ほかの同僚を
頤使して、相変らず空威張を通している、当然、村の煙火師たちからも、反感をもって見....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
のにも、私は目を瞠った。菜っ葉服らのそれは、敗戦の実証であって、抄紙機に駆使され
頤使されて、周章狼狽の果ての過失から、まざまざと彼らは弱者たる彼ら自身を彼らの運....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
門師らも、いわゆる社会改造の時代のこととて、だんだん勢力を得てきていわゆる寺院の
頤使にも応じなくなったことは、すでに記した五ヶ所唱門の中にも、高御門と瓦堂と鉾大....