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頬
「頬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
目金《めがね》などの並んだ中に西洋人の人形《にんぎょう》の首が一つ、目金をかけて
頬笑《ほほえ》んでいる。その窓の前に佇《たたず》んだ少年の後姿《うしろすがた》。....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
なんぞ乗るやつがあるもんか?」
野口という大学教授は、青黒い松花《スンホア》を
頬張ったなり、蔑《さげす》むような笑い方をした。が、藤井は無頓着《むとんじゃく》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
見届け申した。」と云った。甚太夫の顔には微笑が浮んだ。それと同時に窶《やつ》れた
頬《ほお》へ、冷たく涙の痕《あと》が見えた。「兵衛――兵衛は冥加《みょうが》な奴....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
連日の責苦《せめく》のため、急に年をとったように見える。孫七も髭《ひげ》の伸びた
頬《ほお》には、ほとんど血の気《け》が通《かよ》っていない。おぎんも――おぎんは....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
さんもわたしも足を止めながら、思わず窓の中を覗《のぞ》きこみました。その青年が片
頬《かたほお》に手をやったなり、ペンが何かを動かしている姿は妙に我々には嬉しかっ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
な満足の情と共に、味わう事が出来たのであろう。が、現実は、血色の良い藤左衛門の両
頬に浮んでいる、ゆたかな微笑と共に、遠慮なく二人の間へはいって来た。が、彼等は、....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、洋一の差し覗《のぞ》いた顔へそっと熱のある眼をあけると、ふだんの通りかすかに
頬笑《ほほえ》んで見せた。洋一は何だか叔母や姉と、いつまでも茶の間《ま》に話して....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
》れている。年は四十五六であろう。額の狭《せま》い、顴骨《かんこつ》の突き出た、
頬鬚《ほおひげ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と称《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ない。もっともまた醜婦《しゅうふ》と言うほどでもない。ただまるまる肥《ふと》った
頬《ほお》にいつも微笑《びしょう》を浮かべている。奉天《ほうてん》から北京《ペキ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
はいつのまにか湯帷子《ゆかた》や眼鏡《めがね》を着もの脱ぎ場へ置き、海水帽の上へ
頬《ほお》かぶりをしながら、ざぶざぶ浅瀬《あさせ》へはいって行った。
「おい、は....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
客が一人、ぬっと暖簾《のれん》をくぐって来た。客は外套の毛皮の襟《えり》に肥った
頬《ほお》を埋《うず》めながら、見ると云うよりは、睨《にら》むように、狭い店の中....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
のは、美しい支那人の女の子です。が、何か苦労でもあるのか、この女の子の下ぶくれの
頬は、まるで蝋のような色をしていました。 「何を愚図々々しているんだえ? ほんと....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
トトギス」の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境も剽窃した。「癆咳の
頬美しや冬帽子」「惣嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は蛇笏の影響のもとにそう云....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
日顔を剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた。
頬にシャボンの泡のついた、見あきた自分の顔が鏡に映っているのを見ていると、私は哀....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
は花はずかしい十八歳の乙女だった。しゃこのように丸々と肥って、熟して柔らかで赤い
頬は、まるで彼女の父のつくった桃にも似ていた。そして、彼女の評判はひろく知られて....