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頬杖
「頬杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頬杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
《こ》らして見た。どうかすると、顔の位置を換えるだけでは、安心が出来なくなって、
頬杖《ほおづえ》をついたり頤《あご》の先へ指をあてがったりして、根気よく鏡を覗い....
「影」より 著者:芥川竜之介
からここへ紛《まぎ》れこんだか、鈍《にぶ》い羽音《はおと》を立てながら、ぼんやり
頬杖《ほおづえ》をついた陳のまわりに、不規則な円を描《えが》き始めた。…………
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、※々《そうそう》家《うち》へ帰って来た。
その晩彼女は長火鉢の前に、ぼんやり
頬杖《ほおづえ》をついたなり、鉄瓶《てつびん》の鳴る音に聞き入っていた。玄象道人....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
を相手に早口に何かしゃべり出した。
「どうだ、通訳しようか?」
譚はテエブルに
頬杖《ほおづえ》をつき、そろそろ呂律《ろれつ》の怪しい舌にこう僕へ話しかけた。
....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
対する侮蔑ばかりでなく、人格に対する侮蔑さえ感じながら、チョイス・リイダアの上へ
頬杖《ほおづえ》をついて、燃えさかるストオヴの前へ立ったまま、精神的にも肉体的に....
「葱」より 著者:芥川竜之介
《ほう》り出してしまった。と思うと今度は横坐《よこずわ》りに坐ったまま、机の上に
頬杖《ほおづえ》をついて、壁の上のウイル――べエトオフェンの肖像を冷淡にぼんやり....
「女体」より 著者:芥川竜之介
楊某《ようぼう》と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、
頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない妄想《もうぞう》に耽っていると、....
「路上」より 著者:芥川竜之介
せる》できな臭《くさ》い刻《きざ》みを吹かせていた大井が、卓子《テエブル》の上へ
頬杖をついて、
「何だい、そのゲスタ・ロマノルムってやつは?」と、無遠慮な問を抛....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
た。しかもそれは気のせいか、彼女の眉にそっくりだった。
「…………」
たね子は
頬杖《ほおづえ》をついたまま、髪を結《ゆ》う元気さえ起らずにじっと番茶ばかり眺めていた。
(昭和二年三月二十八日)....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
立《だ》った様子は何処《どこ》にも見られなかった。帳場の若いものは筆を持った手を
頬杖《ほおづえ》にして居眠っていた。こうして彼らは荷の来るのをぼんやりして二時間....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ることは確かだった。褐色の口髭の短い彼は一杯の麦酒に酔った時さえ、テエブルの上に
頬杖をつき、時々A中尉にこう言ったりしていた。 「どうだ、おれたちも鼠狩をしては....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
「てつ」の話した、こういう怪談を覚えている。――ある日の午後、「てつ」は長火鉢に
頬杖をつき、半睡半醒の境にさまよっていた。すると小さい火の玉が一つ、「てつ」の顔....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。直ぐそこの長火鉢を取巻いて、三人ばかり、変な女が、立膝やら、横坐りやら、猫板に
頬杖やら、料理の方は隙らしい。……上框の正面が、取着きの狭い階子段です。 (座敷....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
も床の間を辷って、坐蒲団の傍まで散々のしだらなさ。帯もぐるぐる巻き、胡坐で火鉢に
頬杖して、当日の東雲御覧という、ちょっと変った題の、土地の新聞を読んでいた。 ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
寝台を据え、黒い、九官鳥の籠を吊そうと思っています。 私は、寝台の上に腹這い、
頬杖をつきながら、鳥に言葉を教えこもうとおもうのです。 君は幸あふれ、 ....