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頬辺
「頬辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頬辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
胸毛をふわふわとして待構える。チチッ、チチッ、一人でお食べなと言っても肯かない。
頬辺を横に振っても肯かない。で、チイチイチイ……おなかが空いたの。……おお、よち....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
もう一ツ、袂が重くなって、 (一所に……兄さん、) と耳の許へ口をつける……
頬辺が冷りとするわね、鬢の毛で。それだけ内証のつもりだろうが、あの娘だもの、皆、....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
も、本当でごぜえますか、はやどうも、あのくれえなお嬢様は世間にはないと思います、
頬辺などはぽっとして尻などがちま/\として、あのくれえな美いお嬢様はたんとはあり....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
やおや……新坊。」 小僧はやっぱり夢中でいた。 「おい、新坊。」 と、手拭で
頬辺を、つるりと撫でる。 「あッ。」 と、肝を消して、 「まあ、小母さん。」 ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
い暗い隅の、苔の生えた桶の中から、豆腐を半挺、皺手に白く積んで、そりゃそりゃと、
頬辺の処へ突出してくれたですが、どうしてこれが食べられますか。 そのくせ腹は干....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
て見たいと、御主人を驚かして、お惣菜にありつくのは誰さ。……ああ、おいしそうだ、
頬辺から、菓汁が垂れているじゃありませんか。」 横なでをしたように、妹の子は口....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
を黒く小さく下に見て、通りがかりに、じろり……」 藤助は、ぎょろりとしながら、
頬辺を平手で敲いて、 「この人相だ、お前さん、じろりとよりか言いようはねえてね、....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
つるんだってね、火の燃える蝋燭は、女のぬくみだッさ、奴が言う、……可うがすかい。
頬辺を窪ますばかり、歯を吸込んで附着けるんだ、串戯じゃねえ。 ややしばらく、魂....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
した。お嬢さんが縋りついて留めてたがね。へッ被成もんだ、あの爺を庇う位なら、俺の
頬辺ぐらい指で突いてくれるが可い、と其奴が癪に障ったからよ。自転車を下りて見てい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の雨合羽に、塗の足駄など、どうも尋常な娘で、小説家らしい処がない。断髪で、靴で、
頬辺が赤くないと、どうも……らしくない。が、硯友社より、もっと前、上杉先生などよ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
がお前、そんなに待たしておいちゃ失礼だろう。」 ちと躾めるように言うと、一層|
頬辺の色を濃くして、ますます気勢込んで、 「何、あなた、ちっと待たして置きます方....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
蜒っちゃあ、どうどうッて聞えてさ。真黒な線のようになって、横ぶりにびしゃびしゃと
頬辺を打っちゃあ霙が消えるんだ。一|山々々になってる柳の枯れたのが、渦を巻いて、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
見ると、どう仕り……床屋の妹というのはちょいと娘柄は佳うございましたけれど、左の
頬辺に痣があって第一円顔なんで。」 「よく演劇でしたり、画に描いたりするのは腰か....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
んはそうじゃあない、もう助からない覚悟をして、うまれたばかり、一度か二度か、乳を
頬辺に当てたばかりの嬰児を、見ず知らずの他人の手に渡すんだぜ。 私は、悲しい草....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
て、叔母さんを此方へ抱き込み、親類に成っちまって、お前の云うことは何んでも聞く、
頬辺でも甜めさせるから堪忍してくれろと縋り附いて、機嫌を取って、花魁の御法事御供....