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「頭から〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頭からの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
がら、一面にあたりへ、燃え残った青松葉を、灰といっしょにふりまいている。その灰を頭から浴びて、ちぢれ髪の、色の悪い、肥《ふと》った、十六七の下衆女《げすおんな》....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ございますまい。それが、私の覗《のぞ》きました時は、流れ風に散る神泉苑の桜の葉を頭から浴びて、全く人間と云うよりも、あの智羅永寿《ちらえいじゅ》の眷属《けんぞく....
煙管」より 著者:芥川竜之介
の節か何かに、一本貰って、嬉しがっていた時なぞは、持前の癇高《かんだか》い声で、頭から「莫迦《ばか》め」をあびせかけたほどである。彼は決して銀の煙管が欲しくない....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
ると、その気色《けしき》が、先方へも通じたのであろう。老婆は、片手に、まだ死骸の頭から奪った長い抜け毛を持ったなり、蟇《ひき》のつぶやくような声で、口ごもりなが....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
刀を腰に帯びると、老婆の挨拶には頓着なく、大股に洞外へ歩を運んだ。 微風は彼の頭から、すぐさま宿酔《しゅくすい》を吹き払った。彼は両腕を胸に組んで、谷川の向う....
将軍」より 著者:芥川竜之介
め、一まず大川の水の中へ姿を隠そうと決心した。そうして後《うしろ》の黒幕の外へ、頭からさきに這《は》いこんでしまった。その恰好《かっこう》は贔屓眼《ひいきめ》に....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
する少し前に、梢《こずえ》だけ枯れた木を見ながら、「おれはあの木とよく似ている。頭から先に参るのだ」と呟《つぶや》いたことがあるそうである。この逸話は思い出す度....
」より 著者:芥川竜之介
は、後《あと》で聞いたのでございますが、死骸《しがい》は、鼻から血を少し出して、頭から砂金を浴びせられたまま、薄暗い隅の方に、仰向《あおむ》けになって、臥《ね》....
或る女」より 著者:有島武郎
かって置いて、いずれ直接あなたに手紙でいってあげるから、早く帰れっていうんです、頭から。失敬なやつだ」 葉子はこの言葉に乗じて気まずい心持ちを変えようと思った....
或る女」より 著者:有島武郎
思って葉子《ようこ》は快い眠りから目をさました。自分のそばには、倉地《くらち》が頭からすっぽりとふとんをかぶって、いびきも立てずに熟睡していた。料理屋を兼ねた旅....
溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
だと時々草の上に駈《か》け上《あが》らなければいられないほどでした。Mはタオルを頭からかぶってどんどん飛んで行きました。私は麦稈帽子《むぎわらぼうし》を被《かぶ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
、普通な背たけにしか見えないほどその客という男は大きかった。言葉どおりの巨人だ。頭からすっぽりと頭巾のついた黒っぽい外套を着て、雪まみれになって、口から白い息を....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
致方がない。耳馴れたものほど俗受けがする。之に反して耳馴れぬもの、眼馴れぬものは頭から疑われる。 で、われ等の仕事が、前途幾多の荊棘に阻まれるべきは、元より覚....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
って見ると、もう両側の家家には、電燈の光がさし合っていた。良平はその電燈の光に、頭から汗の湯気の立つのが、彼自身にもはっきりわかった。井戸端に水を汲んでいる女衆....
狂人日記」より 著者:秋田滋
鉄棒でも振り上げるようにそれを振り上げ、その刄の方で釣師の頭をひと撃ちで割った。頭から血が流れ出した。脳漿が入り混った、薔薇色の血! それは緩やかに川の中に流れ....