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頭を抱える
「頭を抱える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭を抱えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
り何の魅力もない。「そんなことをいったって――」鼈四郎はひょんな表情をして片手で
頭を抱えるだけてあったが、伯母の説得は間がな隙がな弛まなかった。「あなたも東京で....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
くじった。詰らねえことを――どうも愚痴っぽくなっていけねえ」
闇太郎は、両手で
頭を抱えるように、苦く笑った。
九
「お前さまは、わたしのことを、かれこれ言....
「宇宙爆撃」より 著者:蘭郁二郎
すようにして潜り、デスクの前の廻転椅子にドサリと腰をおろした。デスクに肘をのせ、
頭を抱えるようにして眼をつぶると、外庭の植込みの方で何やら話しあっている所員たち....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
て輾転反側した彼、キラキラする烈しい日光のような刺戟に堪えられずに絶えず眩惑する
頭を抱えるようにしていた彼、蒼白い髪の長い顔をして破調の詩に頭を痛めていた彼、下....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「僕は、思わず目を閉じました。頭をぶっつけては即死だと思ったので、両腕で、自分の
頭を抱えるようにしたことまで覚えています。それから後のことは、なんにも知りません....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
枕にごろんとなると、辷った徳利が勃然と起き、弦光の頸窪はころんと辷って、畳の縁で
頭を抱える。 「討死したな。……何も功徳だ、すぐにも先生の許へ駆附けよう。――湯....
「小公女」より 著者:菊池寛
夜も寒いわ。」 ふと、セエラは黒髪を両手の中に埋めました。彼女は一人だと、よく
頭を抱えるのでした。 「ああお父様、もうずいぶん昔だわね、私がお父様の『小さな奥....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
上篇ノ一 すぐ前に居た一人が突《つん》のめされたように、たたっと、よろめいて、双手で
頭を抱えると、倒れてしまった。 「伏《ふ》せっ、伏せっ、伏せっ」 土方《ひじか....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
して、当分はその上彼をいじくらないことにしようということにした。彼は、時々両手で
頭を抱えるような、前には彼に見られなかった、狂気じみた、我を忘れたような挙動をし....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
がみこんで眺めると、二歳ほどの膃肭獣の牝で、しなやかな背中をこちらへ向け、前鰭で
頭を抱えるようにして、おとなしく眠っていた。これが昨夜の唸声の主なのであった。 ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
頗る注意して聞いていた。が忽ち、何か恐しいことでも急に思い出したかのように、彼は
頭を抱えるなり、院長の方へくるりと背を向けて、寐台の上に横になった。 『どうかし....