頭を掻く[語句情報] » 頭を掻く

「頭を掻く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頭を掻くの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
血の文字」より 著者:黒岩涙香
ゝ夫は困ッたなア実に困た、己よりも先ア内儀が嘸かし失望する事だろう、困たなア」と頭を掻く其様如何にも誠しやかなり、下女は何事かと怪しむ如く、開きたる眼に目科の顔....
稲生播磨守」より 著者:林不忘
ります。お差料には御遠慮あったほうが、お身のおため――。 そのたびに、喜ぶ者、頭を掻くもの。笑声、讃嘆の声々湧き、播磨守をはじめ一座ことごとく感じ入る。 正面....
乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
なった。そして自分の寝ているベンチと並んでいる、外のベンチを検《しら》べて見た。頭を掻くような恰好をした。と、彼はもう帽子を被っていた。麦藁帽であった。彼の手が....
みごとな女」より 著者:森本薫
かわかりますか、って笑ってるんですもの、とても変なのよ。 弘、真紀と顔を見合せて頭を掻く。 あさ子 あら。 弘 どうも。 あさ子 (困って)あらあら母さん、どう....
星女郎」より 著者:泉鏡花
しに、さてはと思った。それ、貴下の一件です。」 「鬼の面、鬼の面。」 と山伏は頭を掻く。 「ところが違います。私もてっきり……だろうと思って、 (貴女、唐突で....
南さんの恋人」より 著者:豊島与志雄
ったり、身悶えしたり……。 そのばかさ加減には、おれも呆れた。仕末に困ったが、頭を掻くだけにした。 南さんは夢の中でのように云っている。 「僕はもう酒をやめ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
みで、私はひとつも覚えてなかった。 同級生たちは笑いだした。 顔を赤らめて、頭を掻く私をたしなめるように先生は言った。 「授業中に作文など書いてはいけません....
小説 円朝」より 著者:正岡容
げんそうに師匠は少し口を尖らかした。 「いえ、あの……お稽古なんで」 ちょいと頭を掻く真似を、小圓太はした。 「何のお稽古?」 いよいよ師匠はけげんそうな顔....
鈴が通る」より 著者:三好十郎
ンニャクのと云うばかりでさ―― 吏三 スのコンニャクか。弱ったなあ。(ガシガシと頭を掻く) 農夫 弱ったちったって、あんた方あ、頭あ掻いてりゃ済むが、わしら百姓....
上海」より 著者:横光利一
くらあたしだって、そうはあなたのように気取ってばかりはいられないわ。」 甲谷は頭を掻くように笑いながら、一寸後を振り返ったがまた急いだ。 「それや、いくら悪口....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
端折りで、「やあ」と飛び込んで来たことである。「アッハッハ」と豪傑笑いをして一寸頭を掻くと、首をすくめて、 「なに、いや、そのう、銀座でこれをやっていたんでね。....