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頭垢
「頭垢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭垢の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
験を積んだ大家であった。胡麻塩頭《ごましおあたま》の中へ指を突っ込んで、むやみに
頭垢《ふけ》を掻き落す癖があるので、差《さ》し向《むかい》の間に火鉢《ひばち》で....
「草枕」より 著者:夏目漱石
》んで御出《おいで》なせえ話すから。――頭あ洗いましょうか」 「頭はよそう」 「
頭垢《ふけ》だけ落して置くかね」 親方は垢《あか》の溜《たま》った十本の爪を、....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
物の中折を脱いで、東京以来のモジャモジャ頭を掻き廻わした。同時にムウッとする程の
頭垢の大群が、天窓の光線に輝やきながら頭の周囲に渦巻いた。 いけないいけない。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
うもののあらざるを見て、遠山金之助|堪えかねたか、矩を踰してずッと入った。 蓬
頭垢面、窮鬼のごとき壮佼あり、 「先生!」 と叫んで遠山の胸に縋りついた。 「....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そこから先、しばらくのあいだ、どこでどう暮していたか分らない。 文字どおりな蓬
頭垢面を持った彼が、約ふた月ほど後、山から里へ下りて来た。何か或る一つの迷いを解....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きかえて、彼は島以来の荒海藻にひとしい囚衣のままだし、もとより冠はいただかず、蓬
頭垢面そのものだった。 「……疾くより、みかどにはふかく御たよりに思され、時あれ....