頭形[語句情報] »
頭形
「頭形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭形の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
ばかりに中天に高く斜線を引いている――もう白河内岳の上にかかっているのだ、この饅
頭形の石山は、北アルプスの大天井岳にどこか似ていると思いながら、喘ぎ喘ぎ登る、霧....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
に、太い杖に片手づきしては、腰を休め休め近づいたのを、見ると、大黒頭巾に似た、饅
頭形の黄なる帽子を頂き、袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に毛巾着を覗かせた…....
「車」より 著者:寺田寅彦
りで。こんな風であるから、これも自分には覚えておらぬが横浜から雇った車夫の中に饅
頭形の檜笠を冠ったのがあったそうだ。仕合せに晴天が続いて毎日よく照りつける秋の日....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
く――だが、力強くいって
「相《そう》は?」
と、叫んだ。と同時に、侍が
「蛇
頭形」
と、叫んだ。火炉の中の火焔は、蛇の頭の形をしていた。槍形、牙形というよ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ざりませぬ。 使女A 真鍮に銀の鋲を打った冑、金襴で錏がわりに装飾った投頭巾、輪
頭形の冑の頂上に、雄猛子の鬚をつけた厳つい冠ものを冠った方は数多く見えましたが、....
「巷の声」より 著者:永井荷風
などを目撃したのも、是皆金剛寺坂のほとりに在った旧宅の門外であった。雪駄直しは饅
頭形の籐笠をかぶり其の紐を顎《あご》にかけて結んでいたので顔は見えず、笠の下から....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
ていた。その小さな稲妻の色は赤や黄や紫やさまざまの美しさだった。この新しい雲は饅
頭形になり、やがてそのまま上へ上へと昇って、松茸みたいな形になった。そのころ、今....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
四分肉六分の割で混ぜて塩味をつけて玉子の黄身一つ入れてよく捏《こ》ねて六つ位の饅
頭形《まんじゅうがた》に丸めてバターでよくフライして出します。 第百十七 ドラ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。――民八は、気狂いのように草の中へ駈け込んだ。そして、なにかの古塚の跡らしく饅
頭形に土の盛られている辺りまで来ると、
「若先生っ、若先生っ」
もういちど、あ....