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頭角
「頭角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頭角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
でいたひとり息子で、内気な平凡な性質。五年になる迄は学業もスポオツもこれといって
頭角をぬくものがなく、すべて中等の出来だったのが、五年に進級して間もなく、数学に....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
医業を営み、一向に門前の繁昌しなかった田舎医者は、維新の風雲に乗じて、めきめきと
頭角を現わし、このとき事実上の軍権をにぎっている兵部大輔だった。軍事にかけては、....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ら、「時」の歩いた恐るべき足跡を思わずにいられなかろう。しかし他の土地へ行って、
頭角を顕すような新しい人物は、大抵教育のある士族の子孫だともいう。 今、弓を提....
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
天に往っていて帰ったところであった。 今まで暗かった司曹が明るくなっていた。※
頭角帯、緋緑の衣を着た判官が数人入ってきて何か言いはじめた。友仁は何を言うだろう....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
って、一種異様の獣にまたがっているのである。獣は半身を波にかくして、わずかにその
頭角をあらわしているばかりであった。また一人、その状貌すこぶる怪偉なるものが、か....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て気楽でもございますから御保養かたがたと、たって勧めてくれたのが、同じ教子の内に
頭角を抜いて、代稽古も勤まった力松という、すなわちお雪の兄で、傍ら家計を支えなが....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
丸を弟子にしてもらった。 峯丸の法蓮房は持前の才智の上によく勉強して、たちまち
頭角をあらわし、顕密の奥旨をきわめたが、その弁舌の巧者なことに至っては対する者が....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
コロ/\私にひッくりかえされる。いくら学問が出来ないたって、こういう連中の中では
頭角を現すから、私は改心したツモリであったが、いつのまにか、大ヨタモノの中央に坐....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
とぎす 狭斜の巷の情と景とを併わせ備えた名句として、其角の無数の秀句の中で嶄然
頭角を現わしているこの「ほととぎす」の一句こそはこういう事情の下に出来上がったの....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
て、堂々と振舞い、談笑の間に折衝し着々と自国の利益を計りながら各国使臣の間に嶄然
頭角をあらわし、尊敬のマトとなった。仏国外相のタレーランの如きは、もっとも彼を敬....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
主催の美術工芸品展覧会が、上野竹の台に開催せらるると、近来M真珠店に対抗して漸く
頭角を現わして来た東洋真珠商会は、先年のM商店の出品物を遥に凌駕する壮麗な真珠塔....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
して益々力学したという説がある。左に右く天禀の才能に加えて力学衆に超え、早くから
頭角を出した。万延元年の生れというは大学に入る時の年齢が足りないために戸籍を作り....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
覚悟がなけりゃアならん。東洋の片隅に小さくなって蹲踞まってるなら知らず、聊かでも
頭角を出せば直ぐ列強の圧迫を受ける。白人聯合して日本に迫るというような事が今後な....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
した。山は海抜三百五十二メートル、さして高いと云えぬながらも、群小諸山の間に嶄然
頭角を現わしている。南口より上り、石城神社の楼門を見、妙見宮のほとりに至れば、そ....
「西航日録」より 著者:井上円了
たるも、その強さたるや虚強にして実強にあらず。これをインド、シナに比するに、嶄然
頭角をあらわすところあるも、これを欧米に較するに、なおはるかにその後に瞠若せざる....