»
頷
「頷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
ですな。」
「ははあ。」
相手の顔は依然として微笑しながら、鷹揚《おうよう》に
頷《うなず》いた。幕営の外はしんとしている。遠くで二三度、角《かく》の音がしたほ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ますから。」
「うん。………お芳一人かい?」
「いいえ。………」
玄鶴は黙って
頷《うなず》いていた。
「じゃ甲野さん、ちょっとこちらへ。」
お鈴は甲野よりも....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
てました。これにはあの摩利信乃法師も、返事のしようさえなさそうにしばらくはただ、
頷《うなず》いてばかりいるようでございましたが、やがてその姫君と云う言《ことば》....
「影」より 著者:芥川竜之介
》が、無気味《ぶきみ》なほど静にはいって来た。
「手紙が参りました。」
黙って
頷《うなず》いた陳の顔には、その上今西に一言《いちごん》も、口を開かせない不機嫌....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
う云いながら、細い杖の銀の握りで、硝子戸棚の中の絵をさし示した。私《わたくし》は
頷《うなず》いた。雲母《きらら》のような波を刻んでいる東京湾、いろいろな旗を翻《....
「彼」より 著者:芥川竜之介
する不快だった。
「じゃ僕は失敬するよ。」
「ああ、じゃ失敬。」
彼はちょっと
頷《うなず》いた後《のち》、わざとらしく気軽につけ加えた。
「何か本を貸してくれ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
生を御見かけ申し、何分願いたい一儀がござる。御聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く
頷《うなず》いた。すると甚太夫は途切《とぎ》れ途切れに、彼が瀬沼兵衛をつけ狙《ね....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
話しかけた。が、彼女は不相変《あいかわらず》、熱心に幕へ眼をやったまま、かすかに
頷《うなず》いたばかりだった。それは勿論どんな画でも、幻燈が珍しい彼女にとっては....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
――横田甚右衛門《よこたじんえもん》はこう言って家康に一礼した。
しかし家康は
頷《うなず》いたぎり、何《なん》ともこの言葉に答えなかった。のみならず直孝を呼び....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
産湯《うぶゆ》のために、飼桶《かいおけ》に水が湛《たた》えられている。役人は互に
頷《うなず》き合いながら、孫七夫婦に縄《なわ》をかけた。おぎんも同時に括《くく》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
らく黙っていてから、
「あのね」とさも大儀《たいぎ》そうに云った。
洋一はただ
頷《うなず》いて見せた。その間も母の熱臭いのがやはり彼には不快だった。しかしお律....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
しい。見て上げましょう。」
神父は顋鬚《あごひげ》を引張りながら、考え深そうに
頷《うなず》いて見せた。女は霊魂《れいこん》の助かりを求めに来たのではない。肉体....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
史料には、怪しいものが、多いのですね。」
「そうでしょうか。」
老紳士は黙って
頷きながら、燐寸《まっち》をすってパイプに火をつけた。西洋人じみた顔が、下から赤....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
っている。いつか機嫌《きげん》を直した治修《はるなが》は大様《おおよう》に何度も
頷《うなず》いて見せた。
「好《よ》い。好い。そちの心底はわかっている。そちのし....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の女と、夫婦になっていらしったのですか?」
俊寛様は薄笑いと一しょに、ちょいと
頷《うなず》いて御見せになりました。
「抱いていた児も少将の胤《たね》じゃよ。」....