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「頷き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頷きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
英雄の器」より 著者:芥川竜之介
しばらく口をとざした。彼の論議が、もっともだと思われたのであろう。一同は互に軽い頷きを交しながら、満足そうに黙っている。すると、その中で、鼻の高い顔だけが、思い....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
史料には、怪しいものが、多いのですね。」 「そうでしょうか。」 老紳士は黙って頷きながら、燐寸《まっち》をすってパイプに火をつけた。西洋人じみた顔が、下から赤....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
うとまた一匹、隣の葉の上にも這《は》っているのがあった。毛虫は互に頷《うなず》き頷き、彼のことか何か話しているらしい。保吉はそっと立ち聞きすることにした。 第....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ました。お敏は頬の涙の痕《あと》をそっと濡手拭で拭きながら、無言のまま悲しそうに頷きましたが、さて悄々根府川石から立上って、これも萎《しお》れ切った新蔵と一しょ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
思う」 「これから※」と白糸はさすがに心《むね》を轟《とどろ》かせり。 欣弥は頷きたりし頭《かしら》をそのまま低《た》れて、見るべき物もあらぬ橋の上に瞳《ひと....
婦系図」より 著者:泉鏡花
で、河野さん、と云うのを御存じではございませんか。」 「河野……あの、」 深く頷き、 「はい、」 「あら、河野は私どもですわ。」 と無意識に小児の手を取って....
海異記」より 著者:泉鏡花
」 と女房は顔を上げて莞爾と、 「何て情があるんだろう。」 熟と見られて独で頷き、 「だって、男は誰でもそうだぜ。兄哥だってそういわあ。船で暴風雨に濡れても....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
魚の牙は可厭です。御卑怯な。見ていないで、御自分でお殺しなさいまし。 (公子、頷き、無言にてつかつかと寄り、猶予わず剣を抜き、颯と目に翳し、衝と引いて斜に構う....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
と、の、それ、」 小次郎法師の頷くのを、合点させたり、と熟と見て、姥はやがて打頷き、 「……でござりましょう。まず、この秋谷で、邸と申しますれば――そりゃ土蔵....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
う一人二人言うて、お掛けやしたが、喜野、芸妓さんはあったかな。」 小女が猪首で頷き、 「誰も居やはらぬ言うてでやんした。」 「かいな、旦那さん、お気の毒さまで....
女客」より 著者:泉鏡花
、城の濠で、大層|投身者がありました。」 同一年の、あいやけは、姉さんのような頷き方。 「ああ。」 三 「確か六七人もあったでしょう。」 お民....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
を筵に支いて、ト中腰になって訊く。 八 差配は溜息と共に気取って頷き、 「いつ、どこでと云ってね、お前、縁日の宵の口や、顔見世の夜明から、見えな....
縁結び」より 著者:泉鏡花
まあ、とおっしゃって、それ切りになりましたのでございます。」 謙造は親しげに打頷き、 「そうそうそう云いました。それが耳に入って気になったかね、そうかい。」 ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
……」 「じゃ、やっぱり、死ぬのを思い止まっちゃ下さらん。」 顔を見合わせ、打頷き、 「むむ、成程、」 と腕を解いて、廉平は従容として居直った。 「成程、そ....
活人形」より 著者:泉鏡花
にて、その愛々しき口許は、写真ながら言葉を出ださんばかりなり。泰助は莞爾として打頷き、「犯罪の原因と探偵の秘密は婦人だという格言がある、何、訳はありません。近い....