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頷く
「頷く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頷くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んなら帰りに寄りなされ、気をつけて行かっしゃいよ。」 物は言わず、睡るがごとく
頷くと、足で足を押動かし、寝ン寝子広き芭蕉の影は、葉がくれに破れて失せた。やがて....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
溢れまするほど、な、貴方様。」 「むむそう。」 と考えるようにして、雑所はまた
頷く。 「手前、御存じの少々|近視眼で。それへこう、霞が掛りました工合に、薄い綺....
「春昼」より 著者:泉鏡花
」 「随分御参詣はありますか。」 先ず差当り言うことはこれであった。 出家は
頷くようにして、机の前に座を斜めに整然と坐り、 「さようでございます。御繁昌と申....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、彼等が結納と申そうより、俗に女の身代と云うものにござりますので。 公子 (軽く
頷く)可、何にしろすこしばかりの事を、別に知らせるには及ばんのに。 僧都 いやい....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
か。(繰返して)御免なさいましと鳴くじゃな。 初の烏 はい。 紳士 うむ、(重く
頷く)聞えた。とにかく、汝の声は聞えた。――こりゃ、俺の声が分るか。 初の烏 え....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
谷|邸の細道じゃ、誰方が見えても通しません)――と、の、それ、」 小次郎法師の
頷くのを、合点させたり、と熟と見て、姥はやがて打頷き、 「……でござりましょう。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
んでも出られまい。……当家の味淋蒸、それが好かろう。」 と小父者納得した顔して
頷く。 「では、蛤でめしあがりますか。」 「何?」と、わざとらしく耳を出す。 「....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
せぎすな美しい女に、――今のを、ト言掛けると、婦人は黙って頷いた。 が、もう打
頷く咽喉の影が、半襟の縫の薄紅梅に白く映る。…… あれ見よ。この美しい女は、そ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
広く感じる。 この海の他に、またこんな海があろうとは思えんくらいじゃ。」 と
頷くように茶を一口。茶碗にかかるほど、襯衣の袖の膨らかなので、掻抱く体に茶碗を持....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
はい、」媼は返事ばかりでは気が済まぬか、団扇持つ手と顔とを動かして、笑傾けては打
頷く。 「それでは、あの本当はないのでございますか。」とお雪は拓の座を避けて、斜....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
が動きますよ。毎日々々行っちゃあ立っていたので、しまいにゃあ見知顔で私の顔を見て
頷くようでしたっけ、でもそれじゃあない。 駒鳥はね、丈の高い、籠ん中を下から上....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ゃありませんか。」 「はい、」 「ね、貴下、」 「はい、」 と無意味に合点して
頷くと、まだ心が済まぬらしく、 「言とがめをなすってさ、真個にお人が悪いよ。」 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、内の母親もやっぱり同一ようなことを言ってましょう、ふふん、」と頤を支えたまま、
頷くがごとくに言って笑を洩らす。 紋床は顔を斜に、ばりかんに頬をつけて、ちょい....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
へ火をかけて、炎の中で立腹を切った処でさ。」 「ああああ、」と束ね髪が少し動いて
頷く。 「月に一度、霊岸島から五十石積が出るッてますが、三十八里、荒海で恐ろしく....
「活人形」より 著者:泉鏡花
出して、財産も他手には渡さないから、必ず御案じなさるな。と言語を尽して慰むれば、
頷くように眼を閉じぬ。 折から外より戸を叩きて、「もう開けましても差支えござい....