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「頸筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頸筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
はそれを聞くと身がすくむようだった。体がかたくなった。肩が凝りきった時のように、頸筋《くびすじ》から背中がこわばって、血のめぐりが鈍く重く五体の奥の方だけを動く....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
行くことばかりを考えているのに違いない。僕は、象牙《ぞうげ》のように真白な夫人の頸筋《くびすじ》に、可憐《かれん》な生毛《うぶげ》の震《ふる》えているのを、何と....
振動魔」より 著者:海野十三
どこにもそのように多い数字に相応わしいところが見当らなかったのだった。とりわけ、頸筋から胸へかけての曲線は、世にもあでやかなスロープをなし、その二の腕といわず下....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
赤羽主任は、無残につぶされた女の銀杏返しの髪に視線を送った。――丸々と肥えた頸筋に、血に塗れた乱れ髪が数本|蛇のように匍っている、見るからに惨酷な犯行を思わ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ますか」 「構わん、やれッ」 「承知しましたッ」運転手は巧みに把手を操った。彼の頸筋には、脂汗が浮んで軈てタラタラ流れ出した。 距離はだんだん迫って来た。 ....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
に黙って、あの裏街の軒下を歩いていった。秋はこの場末にも既に深かった。夜の霧は、頸筋のあたりに忍びよって、ひいやりとした唇を置いていった。 (遠い路だ――)仰ぐ....
地球要塞」より 著者:海野十三
か元のとおりに海面に浮かび上っていた。 潮を含んだそよ風が、通風筒をとおり私の頸筋《くびすじ》を掠《かす》めていく。 かん、かん。かん、かん。 軍艦と同じ....
流線間諜」より 著者:海野十三
ある部屋 それから、どのくらい時間が経ったのか分らなかったが、兎に角帆村探偵は頸筋のあたりにヒヤリと冷いものを感じて、ハッと気がついた。 (おや、自分は何をし....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
空にかぶさって、浴衣に薄き日の光、二人は月夜を行く姿。 「ぽたりと落ちて、毛虫が頸筋へ入ったとすると、叔母さん、どっちが厭な心持だと思います。」 「沢山よ、銑さ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
んだように白くなる……また片一方を脱いだんです。脱ぐと羅の襟が、肉置のほどの好い頸筋に掛って、すっと留まったのを、貴婦人の手が下へ押下げると、見る目には苛らしゅ....
発明小僧」より 著者:海野十三
て、グズグズ云い訳けを云って時間を伸ばしているうちに、かの家ダニはほどよく相手の頸筋に喰いつくが故に、痒さあまりて遂に月賦の催促などして居られなくなるを以て、そ....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
上へ折重って、力まかせにその大きな炭塊をガッと喰らわしたものであろう。後頭部から頸筋へかけて大きな傷がクシャクシャに崩れ、左の耳が殆んど形のないまでに潰されてい....
京のその頃」より 著者:上村松園
あった。 総じて京風というと襟足の美しさが一際目立つもので、生え際の長い、白い頸筋に黒々とした髪の風情は、特に美しい人のためにこそ引き立ちもし、生えさがりの短....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
その声を聞き入れないのを見ると、太く逞しい腕が四本ばかり、グッと伸びてきて喜助の頸筋をつかんで、その身体を軽々とひっかつぐと、宙を渡らせて、エイヤッ、ドタリと、....
白い蝶」より 著者:岡田三郎助
早何処にも見えないので、やれ安心と、ほっと一息付きながら歩き出した途端、ひやりと頸筋に触れたものがある、また来たかとゾーッとしながら、夢中に手で払ってみると、果....