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頻って
「頻って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頻っての前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蒲団」より 著者:田山花袋
射渡って、夕の影が濃くあたりを隈どるようになった。取り残した芋の葉に雨は終日|降
頻って、八百屋の店には松茸が並べられた。垣の虫の声は露に衰えて、庭の桐の葉も脆く....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
病気だと合田氏は診断している。一時は腰が抜けて起つことも出来ない。寝ていても時を
頻って咳き上げて来て気息を吐くことも出来ない。実に恐ろしく苦しみました。 それ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
鳴いています。その水田の方へ、畷へ切れて、蛙が、中でも、ことこところころ、よく鳴
頻ってる田のへりへ腰を落し、ゆっくり煙草を吹かして、まずあの南天老人を極めました....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て飛騨山中の冬の夜は、凍えるばかりに寒かった。霧に似たる細雨は隙間もなく瀟々と降
頻って、濡れたる手足は麻痺れるように感じた。 併し彼女は飽までも強情であった。....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
アダムに悪心がありましたから、カインのようなものが産れたのでございます。アダムは
頻って量の問題を高調いたしましたが、私は質の問題として考えております。煙筒の立っ....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
手の甲の上にまで汗疹が出来ている。軒端に吊した籠の中で、先刻からきりぎりすが鳴き
頻っている。私の脳裏には夏草の長けた、妻の郷里の風景が頻りに想い描かれる。が、今....
「澪標」より 著者:外村繁
はないが、既に仄かな色情は発芽していた、と言えるのではないか。 庭には雨が降り
頻っている。強い雨である。空は白い雲に覆われているが、かなり明るい。私は中の庭の....