頻る[語句情報] »
頻る
「頻る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頻るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蒲団」より 著者:田山花袋
そうかと云って眠ったのではなく、赤土のような顔に大きい鋭い目を明いて、戸外に降り
頻る雨をじっと見ていた。 時雄は例刻をてくてくと牛込矢来町の自宅に帰って来た。....
「新茶のかおり」より 著者:田山花袋
と五月鯉の風に動く音がする。これを聞くと、始めて初夏という感を深く感ずる。雨の降
頻る中に、さまさまの色をした緑を抜いて、金の玉のついた長い幟竿のさびしく高く立っ....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
いて、がたがたと些と荒く出ると、拍子に掛かって、きりきりきり、きりりりり、と鳴き
頻る。 熟と聞きながら、うかうかと早や渡り果てた。 橋は、丸木を削って、三、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
あった。雪を当込んだ催ではなかったけれども、黄昏が白くなって、さて小留みもなく降
頻る。戸外の寂寞しいほど燈の興は湧いて、血気の連中、借銭ばかりにして女房なし、河....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
のまま――猟夫がこの爺さんである事は言うまでもなかろうと思う。さて猟夫が、雪の降
頻る中を、朝の間に森へ行くと、幹と根と一面の白い上に、既に縦横に靴で踏込んだあと....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
したが、安行の行方は依然不明であった。加之も夜の更けると共に、寒い雨が意地悪く降
頻るので、人々も寒気と飢とに疲れて来た。 「到底今夜のことには行くまい。」と、弱....