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頽れ
「頽れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頽れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
云った通り、ぬけ裏のゆき止りを竹垣でふさいであったが、その古い竹はもうばらばらに
頽れかかっていた。そばには共同の大きい掃溜めがあって、一種の臭いが半七の鼻をつい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
てどやどやと座敷を出て行った。その人びとが残らず出尽くしたときに、古い家が突然に
頽れ落ちた。かれらは鼠に救われたのである。家が
頽れると共に、鼠はみな散りぢりに立....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
らしい。 江戸時代には十二月十三日と大抵きまっていたのを、維新後にはその慣例が
頽れてしまったので、お互いに迷惑しなければならないなどと、老人たちは呟いていた。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
連れの者どもと共にそこらを探してあるくと、岡の上に一つの穽があって、それは古塚の
頽れたものであるらしかった。 その穽の中には一匹の古狐が坐って、何かの一巻を読....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れましたが、それぎりで遂に死んでしまいました。そうして、その死骸は間もなく腐って
頽れました。 蛇はどこへ行ったか、そのゆくえは知れなかったそうです。 地....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れているお客人を介抱して、さてそこらを検めてみると、骸骨が柱にあたってばらばらに
頽れていました。 その後に、その死人の家から棺をうけ取りに来ましたが、死骸が砕....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
まで辿り着くと、そこらは人跡の絶えたところで、いつの代に建てたか判らないような、
頽れかかった一宇の古い廟がありました。 「なんだか物凄い所だ」 大胆の青年もさ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が激しく痒くなったので、彼はその矢鏃で耳を掻いていると、突然にうしろの壁の一部が
頽れて来て、その右の臂の上に落ちかかったので、矢鏃は耳の奥へ深く突き透った。 「....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
りを折込んだ細路地の裏長屋、棟割で四軒だちの尖端で……崖うらの畝々坂が引窓から雪
頽れ込みそうな掘立一室。何にも無い、畳の摺剥けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその斑....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
女は生れさえすりゃ誰でも処女だ、純潔だのに、一人で純潔がって廓の売色を、汚れた、
頽れた、浅ましい、とその上に、余計な事を、あわれがって、慈善家がって、異う済まし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
魂は消え、息は止まり、総身は海綿のように骨なしになって、からだの奥までぐずぐずに
頽れてしまうことでしょう。 わたしは幽霊などを信じる者ではありません。それでも....
「取舵」より 著者:泉鏡花
。渠はその全力を尽して浪を截りぬ。団々として渦巻く煤烟は、右舷を掠めて、陸の方に
頽れつつ、長く水面に横わりて、遠く暮色に雑わりつ。 天は昏※として睡り、海は寂....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
りと知るべく、家内の大部分は土間にて、正面に古びたる板戸の出入口あり。左右の壁は
頽れ、下のかたの竹窓もくずれて、窓には紅葉しかかりたる蔦がからみて垂れたり。土間....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
森ですが、君は?」 「内田です、」というと、 「そうか、」と立ちながら足を叩いて
頽れるように笑った。「宜かった、宜かった、最少し遅れようもんなら復た怒られる処だ....
「露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
。 「イヤ、実に面白い作で、真に奇想天来です。」と美妙も心から喜ぶように満面笑い
頽れて、「近来の大収穫です。学海翁も褒めちぎって褒め切れないのです。天才てものは....