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「頽れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

頽れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
を発して咆哮《ほえたけ》ったが、第二発目に聞える銃声と共に一躍り躍り揚って大山の頽れる様に其の所へ死んで仕舞った、誰が虎を射殺して呉れたのだろう。 第十五回 ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ず出尽くしたときに、古い家が突然に頽れ落ちた。かれらは鼠に救われたのである。家が頽れると共に、鼠はみな散りぢりに立ち去った。 陳巌の妻 舞陽の人、陳巌と....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
んでしょう、電信柱に寄り掛かってしばらく休んでいたかと思ううちに、急にぐたぐたと頽れるように倒れてしまったんです。床屋でもおどろいて、すぐに店へかかえ込んで、そ....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
ない爛熟が感じられる。どこで、いつの間に、こうして、婦人の生活と文筆の才能とは、頽れるばかりのものとされて来ていたのだろう。 日本の女として、これまでに負わさ....
古傷」より 著者:蘭郁二郎
内田君がもぐもぐと口を听く度に、沸々と泡立つコップの中で、その迪子がニタニタと頽れるように嗤うのである。 『バカ』 力一杯コップを叩き落した。コップは石畳に....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
咎めは、唯これだけで済んでしまったのである。お菊は張りつめた気が一度にゆるんで、頽れるように縁先に手をついた。あまりに寛大過ぎた主人の沙汰に、十太夫も少しあっけ....
人狼」より 著者:岡本綺堂
が、わたくしの心は怖ろしい狼になって仕舞ったのでござります。(堪えざるように泣き頽れる。) (モウロは進み寄って、おいよを抱き起す。正吉も立寄れば、モウロは近寄....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
森ですが、君は?」 「内田です、」というと、 「そうか、」と立ちながら足を叩いて頽れるように笑った。「宜かった、宜かった、最少し遅れようもんなら復た怒られる処だ....