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頽廃
「頽廃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
頽廃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
、再びデンと腰を下し、頬杖ついて聴けば、十銭芸者の話はいかにも夏の夜更けの酒場で
頽廃の唇から聴く話であった。 もう十年にもなるだろうか、チェリーという煙草が十....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
、一方に於て自分の生活を改善するところの何等かの努力を営み――仮令《たとえ》ば、
頽廃的《デカダン》という事を口に讃美しながら、自分の脳神経の不健康を患《うれ》う....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は何を仕でかすかも知れないと云うので、安太郎はとうとう勘当された。 江戸末期の
頽廃期には、こんな洒落をして喜ぶ者が往々ある。今度の一件もその二代目ではないかと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の仕事は主にギリシアの諸書の研究と注釈に限られていた。帝政時代の間に国民は急速に
頽廃の道をたどったためにたださえ薄かった科学への興味はほとんど全く消滅した。それ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
の一つを紹介しようと思う。 三浦老人はこう語った。 今日の人たちは幕末の士風
頽廃ということをよく云いますが、徳川の侍だって揃いも揃って腰ぬけの意気地無しばか....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
った。勿論その尊敬は、悲壮と云うような観念から惹き起される一種の尊敬心で、例えば
頽廃した古廟に白髪の伶人が端坐して簫の秘曲を奏している、それとこれと同じような感....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ら消えてしまうではございませんか。ああ、この事件はあらゆる犯罪の中で、道徳の最も
頽廃した型式なのでございます。そして、その黝ずんだ溝臭い溜水の中で、あの五人の方....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
あれ等がフランス固有の唄も混ぜて唄うとしたらどうでしょう。日々にフランスの国風が
頽廃して行くのはお互い識者たるものの嘆じているところです。町の唄うたいが揃ってフ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
早目の朝食後、余は総員に訓示をあたえた。 「諸君よ、今暁吾々が行う潜行は、祖国を
頽廃から救う、偉大なる隠れんぼうである。しかし、怖れることはない。普魯西には、わ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
、斎藤茂吉の初期の短歌の如く新感覚派にも似た新しい官能の文学であろうか、あるいは
頽廃派の自虐と自嘲を含んだ肉体悲哀の文学であろうか、肉体のデカダンスの底に陥るこ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
ど変らない。いわば世相の語り方に公式が出来ているのだ。敗戦、戦災、失業、道義心の
頽廃、軍閥の横暴、政治の無能。すべて当然のことであり、誰が考えても食糧の三合配給....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ことと思います。国民の血税がかくのごとく使われておるのでありますから、これ綱紀の
頽廃にあらずして何ぞやと私はいいたいのであります。吉田内閣のもとにおいては、あら....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
ります。またこの社会を矛盾と醜悪の現実の彼岸に幻に描くことによって、私達の生活は
頽廃と絶望から救われ、意義あるものとされているのであります。 何を措いても児童....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
思想の優れたるものあるを覚らずして、いずれに頼るべき中心思想なく、迷いわずらい、
頽廃の兆さえ歴然と見えるようであります。反省すべき都会生活です。 田舎の生活に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
英国のそれに劣らぬものであったが、今回は余程事情を異にしていたらしい。フランスの
頽廃的気分、支配階級の「滅公奉私」の卑しむべき行為はアンドレ・モーロアの『フラン....