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額堂
「額堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
額堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ですから、奥さんが手切なり心着なり下すった幾干かの金子を資本にして、初めは浅間の
額堂裏へ、大弓場を出したそうです。 幸い商売が的に当って、どうにか食って行かれ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たのであった。面の恐怖と云えば誰しも経験することだが、たとえば、白昼でも古い社の
額堂を訪れて、破風の格子扉に掲げている能面を眺めていると、まるで、全身を逆さに撫....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えさしだけが物わびしく燻《くすぶ》っているだけです。 十 その翌日、妙義神社の
額堂の下で、なにくわぬ面《かお》をして甘酒を飲んでいるのは、がんりきの百でありま....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
石段を三段、次第に上って来て、これから隧道のように薄暗い、山の狭間の森の中なる、
額堂を抜けて、見晴しへ出て、もう一坂越して、草原を通ると頂上の広場になる。かしこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずに尊敬をしているのを、お銀様は冷笑しながら、境内《けいだい》めぐりをして、その
額堂に注意を払ったり、庭石をながめたり、水屋をのぞいたり、立札を読んだりして歩い....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
一 伊藤喜兵衛は孫娘のお梅を伴れて、浅草観音の
額堂の傍を歩いていた。其の一行にはお梅の乳母のお槇と医師坊主の尾扇が加わっていた....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
。 水茶屋嬉し野の釜《かま》前へ? そうではない。もと来た道へ帰ると、お水屋
額堂を横に見て仁王門、仲見世《なかみせ》の押すな押すなを右に左に人をよけて、雷門....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
は一入ですな。ご無心で甚だご迷惑と存ずるが、せっかく参詣致したついでに、ちょっと
額堂の軒下なりと拝借して雪の眺めをいたしたい。まだほかに、連れのものもご座る』 ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
》の庭のように静な裏手から人なき境内に歩入《あゆみい》って、鳩の飛ぶのを眺めたり
額堂《がくどう》の絵馬《えま》を見たりしたならば、何思うともなく唯茫然として、容....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あるのだが……」と、武士は、笠の顎を上の山へ向けて、「あの頂に見える、蝉丸神社の
額堂を、今夜だけ、借りうけたいと思うが、別に差しつかえはあるまいな」 「ほう
額堂....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
と一緒に待乳山へ上っていただきたい。 そこに、まずわたしたちは、かつてのあの「
額堂」のかげの失われたのを淋しく見出すであろう。つぎに、わたしたちは、本堂のうし....