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「額縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

額縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
68 写真屋の飾り窓。男女《なんにょ》の写真が何枚もそれぞれ額縁《がくぶち》にはいって懸《かか》っている。が、それ等の男女の顔もいつか老人に....
」より 著者:芥川竜之介
え》のように見える。巌乗《がんじょう》な槲《かし》の窓枠《まどわく》が、ちょうど額縁《がくぶち》を嵌《は》めたように見える。その画のまん中には一人の女が、こちら....
」より 著者:芥川竜之介
彼女の空想は芸術とはほとんど縁のない未来の生活の上に休み勝ちだった。目はその間も額縁《がくぶち》に入れた机の上の玉葱《たまねぎ》だの、繃帯《ほうたい》をした少女....
十円札」より 著者:芥川竜之介
裏は表よりも一層見事である。これほど手垢《てあか》さえつかずにいたらば、このまま額縁《がくぶち》の中へ入れても――いや、手垢《てあか》ばかりではない。何か大きい....
河童」より 著者:芥川竜之介
せん。往来に面した客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、それからまた壁には額縁《がくぶち》へ入れたエッティングなども懸《かか》っていました。ただ肝腎《かん....
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
しません。あの人が上《あが》る所に、本なりカンヴァスなりを、のせればよいのです。額縁や製本も、少しは測定上邪魔になるそうですが、そう云う誤差は後で訂正するから、....
路上」より 著者:芥川竜之介
ない、埃風《ほこりかぜ》の吹く午後だった。俊助は大学から銀座の八咫屋《やたや》へ額縁の註文に廻った帰りで、尾張町《おわりちょう》の角から電車へ乗ると、ぎっしり両....
将軍」より 著者:芥川竜之介
はあすこにもあるようじゃないか?」 少将は炉《ろ》の上の壁を指した。その壁には額縁の中に、五十何歳かのレムブラントが、悠々と少将を見下していた。 「あれは別で....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
に生まれた為だったであろう。僕の家の仏壇には未だに「初ちゃん」の写真が一枚小さい額縁の中にはいっている。初ちゃんは少しもか弱そうではない。小さい笑窪《えくぼ》の....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
少し震えながらお三輪が言うと、 (引潮時だねちょうど……)と溜息をしたは、油絵の額縁を拵える職人風の鉄拐な人で、中での年寄だった。 婦人の一人が、 (姉さん、....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
へ差入れた。そして何か探しているらしかったが、すると突然、裸体画のはいった大きな額縁《がくぶち》が、ぐうっと上にあがったと思うと、そのあとにぽっかりと四角い穴が....
南地心中」より 著者:泉鏡花
へ引退った。ト娘の挿した簪のひらひらする、美しい総越しに舞台の見えるのが、花輪で額縁を取ったようで、それも可さ。 所へ、さらさらどかどかです。荒いのと柔なのと....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ば絞った玄関|傍の応接所から、金々として綺羅びやかな飾附の、呼鈴、巻莨入、灰皿、額縁などが洩れて見える――あたかもその前にわざと鄙めいた誂で。 日車は莟を持っ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
ん(姉の夫)の肖像画も売るか? しかしあれは……」 僕はバラックの壁にかけた、額縁のない一枚のコンテ画を見ると、迂濶に常談も言われないのを感じた。轢死した彼は....
余齢初旅」より 著者:上村松園
唐子童子 南京の紫金山というのは、私の泊っていた宿の窓のところからちょうど額縁にはまったように見られたが、夕方などになると大へん美しい山に見えるのであった....