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「額面通り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

額面通りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
踊る地平線」より 著者:谷譲次
旅から帰って、はじめて郷国の真価値がその額面通りに買い得るというものだ。今の僕がそれである。もう、実を言うと原稿なんかど....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ないことをほめて下すって有難う。でもこれはどうもうちのなかでは証人をたてなければ額面通りには受取ってくれそうもありません。まだ私はかんしゃく持ちです。気が短かく....
白痴」より 著者:坂口安吾
した凄味といったら論外で、ズドズドズドと爆発の足が近づく時の絶望的な恐怖ときては額面通りに生きた心持がないのである。おまけに飛行機の高度が高いので、ブンブンとい....
青春論」より 著者:坂口安吾
、たしかにその淪落の性格のためだとは言えるであろう。 一か八かであるが、しかも額面通りではなく、実力をはみだしたところで勝敗を決し、最後の活を得ようとする。伝....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ではないか。誰も革命は起さない。平然と生きている。生きられる筈はないではないか。額面通りなら、どうしても、死なねばならぬ。政治などは何のたしにもならぬ。平然とし....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
にキメつけるのは残酷である。どんなに実質的に偉い政治家でも、人気商売であるから、額面通りにいかない。ちょッとした悪評で、落選する危険は総理大臣たりとも有るのだか....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
顔だちから、人を判断することはできないものだ。澄んだ目や、無邪気な明るい顔から、額面通りの素行をうけとるのは考えものである。どんな人間も根は同じものだ。自分も人....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
、飄然と天涯の孤児にもどる。いいぞ。トマサン。 どうも、しかし、こういうことは額面通りにいただかない方がよろしいようだ。どうも遊び好きの男に限って、こういう甘....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
後閑仙七が息子の霊をよんでビルマの孫をつれてくるなぞというのは、どう考えても額面通りには受けとれない。そもそも仙七は長男を特別扱いしていなかった。一寸法師や....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いぐらい無邪気なのだ。実に人々はそれを彼の無邪気さと云い、彼の底なしのウヌボレ。額面通り大先生が賤の女を愛すとはエライことだ、汝幸せな女よ、と言うであろう。そし....