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顏
「顏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒山拾得」より 著者:森鴎外
る道翹に言った。「拾得という僧はまだ当寺におられますか」 道翹は不審らしく閭の
顏を見た。「よくご存じでございます。先刻あちらの厨で、寒山と申すものと火に当って....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
他は桜の花あかり」句「声かぎり啼け杜鵑神の森」これは先代茂木佐平治の句で、他に眞
顏の碑が建って居ります「あらそはぬ風の柳の糸にこそ堪忍袋縫ふべかりけれ」という狂....
「梟の大旅行」より 著者:林芙美子
、いつも、とまり木の眞中にじいっとして暮していたンです。大きいまるい生物は人間の
顏なのだそうで、この
顏が私に餌をくれるのです。私に似た生物は猫と云う動物なンでね....
「クララ」より 著者:林芙美子
食べるのでしたけれども、むつ達と同じように梅干がたびたびついているのです。むつは
顏をあげて、木内先生の口もとをじっと視ているのです。あの梅干は金の梅干かも知れな....
「亀さん」より 著者:林芙美子
うところかね。――どんなとどけをするのかね。」 「村役場へ行って、村長にちょっと
顏をみせればいいのさ。おじさんの話次第では、宿屋もみつけてくれるかもしれないよ。....
「おにおん倶楽部」より 著者:林芙美子
?」 と、きいてみた。子供の聲なので、盲目のひとは、ちょっとびっくりしたように、
顏を左右にむけていたが、 「上野まで行くんですが、切符はどこで買ったらいいのか判....
「夢」より 著者:寺田寅彦
している。家畜の顔を見ていると、それがだんだんにいつかどこかで見た事のある人間の
顏に似て来るような気がする。そしてそれがみんないかにも迷惑そうな倦怠しきった表情....
「小さな旅」より 著者:富田木歩
り居が徒然なので節句にとゝのえたと云う雛人形を見せて貰うことにした。 箱を出る
顏忘れめや雛二對 蕪村 の句を口ずさみながら塵にまみれた箱の蓋を開けて見ている....
「捨吉」より 著者:三好十郎
と ズッと山ですよ」 驛長が呼びかけた 「いやいいんです」 驛長は いぶかしげな
顏で すかして見たが おれの微笑に 安心して 背なかを見せてコトコトと 驛舍の方....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
四寸ぐらい。體重十五貫と十六貫の間。中肉でよく發達した、均整のとれたからだつき。
顏は正面から見ると割りに寸がつまつて丸いが、横からだと面長に見える。鼻筋がすこし....
「夜の道づれ」より 著者:三好十郎
ヨレヨレのレインコートを着て、飲みつづけた酒の醉いのさめかけた、デロリとした蒼い
顏が鳥打帽の下からのぞいている。 腕時計を見る。 奧の四つ辻のあたりに鋭どい光が....
「古事記」より 著者:太安万侶
》の二名《ふたな》の島(四國)をお生《う》みになりました。この島は身《み》一つに
顏《かお》が四つあります。その
顏ごとに名があります。伊豫《いよ》の國をエ姫《ひめ....