顔を振る[語句情報] » 顔を振る

「顔を振る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔を振るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た若い女房が、遠く向うから、その舌で、頬を触るように思われたので、むずむずして、顔を振ると、短冊が軽く揺れる。頤で突きやると、向うへ動き、襟を引くと、ふわふわと....
立枯れ」より 著者:豊島与志雄
ら、紹介状を持って行ってごらんと、中江がいくら云っても、キミ子は駄々っ児のように顔を振るだけなので、中江はとうとう、自分で連れてくることにしたのだが、暫く躊躇し....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いか、しまっておいたらどうだ」 「…………」 お通は、手にも触れない。かすかに顔を振るだけであった。 「みんなが、捜しているのだ。さ……気がすすまないだろうが....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
びている風がある……。見かけないか、この辺りで」 「…………」 黙って、二人が顔を振ると、 「おかしいな? 三年坂の辺りで、見た者があると訊いたのだが、さすれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
を寸断にした。 良人の袖の蔭に身もだえの唇を噛んで「……いいえ」と、その黒髪は顔を振るらしかった。 常々、諭されていたこともある。 この期になって取り乱す....