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「顔役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
会社に怨《うら》みて、人と馬との軋轢《あつれき》ようやくはなはだしきも、わずかに顔役の調和によりて、営業上|相干《あいおか》さざるを装えども、折に触れては紛乱を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っていた。きょうは亀吉が一緒であるので、半七も酒を一本注文した。 「ここらにゃあ顔役とか親分とかいうものはいねえかね」と、半七は訊いた。 「ここらのことですから....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
たが、何事もなく離してくれたのだった。 しかし捕えたカンカン寅というギャングの顔役は、当局の訊問に対して、思うような自白をしなかった。彼の手先である赤ブイの仙....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ち。しかし、駆黴剤の浸染はかくし了せぬ素姓をいう……、いまこの暗黒街を統べる大|顔役二人が、折竹になに事を切りだすのだろう。 「じつは、高名な先生にお願いの筋が....
真田幸村」より 著者:菊池寛
を渡り、大阪をさして出発した。附近の百姓ども、あれよあれよと騒いだが、村々在々の顔役共は真田邸で酔いつぶれているので、どうすることも出来なかった。浅野長晟之を聴....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ながら現われたのは、五十年輩の立派な人物で、英五郎と云って君江の父、この辺一帯の顔役で、髪は半白、下膨れの垂《た》れ頬《ほお》、柔和の容貌ではあるけれど、眼附き....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
陳列館であった。 これは某国の権益の中に含められているという話だが、今は土地の顔役である陳程という男が管理にあたっているそうだ。 わが特務機関は、未だに公然....
大望をいだく河童」より 著者:坂口安吾
と、 「旦那からかっちゃアいけませんや」という。本職の名人と思ってるのか、蒲田の顔役に似た旦那がいるのかも知れぬ。 井伏鱒二村長がキイキイ声で、 「ヤイ安吾、....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
にしても、わざわざ投票にくる筈はないじゃないか。もし投票にくるとすれば、だいたい顔役のいる土地だから、票の行方は一括してきまっていると見なければならない。その顔....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
方は何者だね」 「PTAの婦人連盟らがね」 彼女らは余の領内の女傑もしくは女の顔役とも呼ぶべき連中であるらしい。余が謙信であることを知る者のなかったことは幸い....
この握りめし」より 著者:岸田国士
のいかさま師で、政治と賭け事がなによりも性に合うと自分で言いふらし、事さえあれば顔役気取りで問題の納め役を買つて出るのだが、それには多少の金も使うところから部落....
剣侠」より 著者:国枝史郎
として考え込んだ。 (お山はどうせ宿場女郎、売物買物で仕方ねえが、高萩の猪之松は顔役だ。四百五百の乾児共から、立てられている男じゃアねえか。俺とお山との関係を、....
大力物語」より 著者:菊池寛
、小川の市へやって来た。こういう他国者の新顔を、痛めつけることは昔も今も暴力団的顔役の仕事である。美濃狐は、早速尾張の女の船へ行って、蛤を差し押えて、「お前は、....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
た興行の勧進元からは櫓銭と称して、相当の報酬を取る。あたかも博徒がテラ銭を取る、顔役が祝儀を受けるというのと同じ様子のものであった。特にまた関東のエタ頭弾左衛門....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
引きがばれて、鉄嶺を逃げ出し上海に流れた。上海で、通称“神戸の小母さん”という女顔役の世話にもなった。上海で東亜同文書院の向かいの中華そば屋に雇われ、当時名声を....