顔色を窺う[語句情報] » 顔色を窺う

「顔色を窺う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顔色を窺うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
しようとも思わぬ昔のことじゃ」 「その昔を忘れては済むまい」 暗いなかでは女の顔色を窺うことはできないので、千枝松はじれて藻の手をつかんだ。そうして隣りの陶器....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことを云って居りますか」 「お部屋さまを沈めようとした……」 云いかけて相手の顔色を窺うと、お富は黙って考えていた。 「そんなことを云っちゃあなんですが……。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なり――と云った後で、貴方の述べる一句一句を検討してみました。すると、貴方は僕の顔色を窺うような態度になって、では薔薇乳香を焚いたのでは――と云われましたね。僕....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
物とか、古代蒔絵とか、仰々しい貼札しての古道具ずらりと陳べて、いやに客の足元から顔色を窺う無気味さ、こうしたのが数多い中には幾たりかあって、同じ仲間から内々では....
どぶろく幻想」より 著者:豊島与志雄
が、へんに俺の顔色を窺ってるような眼色だった。 俺の方でも、なんだか、周さんの顔色を窺うような気持ちだった。 周さんの相手の男は、もう五十年配の同国人で、俺....
蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
もないし、やはり、耳がおかしくなったのであろうか。 彼女は穿鑿するように相手の顔色を窺うのである。 桂介は眉をひそめたが、おとなしく説明してやった。 「それ....
白光」より 著者:井上紅梅
がら跳り出した。彼は椅子に腰を卸してよく見ると、彼等は夜学に来ているのだが、彼の顔色を窺うようにも見えた。 「帰ってもいい」 彼はようやくのことで、これだけの....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
の汽車の中で……。」 「蛇の騒ぎがあった時に……。」 こう言って、わたしはその顔色を窺うと、彼も睨むように私の顔をじっと見つめていたが、やがて漸く思い出したよ....
」より 著者:岡本綺堂
「女房と二人づれで参りました。」 なんと返事をしたものかと、久助は無言で主人の顔色を窺うと、弥太郎は頭をふった。 「今は御用の出先だ。逢ってはいられない。又次....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
き明かしを願いたさに、かように推して参上つかまつりました。」 言いさして相手の顔色を窺うと、兼好は頭をなでながら軽く笑った。 「くどくも言う通り、つれづれなる....