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顔見世
「顔見世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔見世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、六月に帰府、十二月には再び上洛の噂がある。猿若町の三芝居も遠慮の意味で、吉例の
顔見世狂言を出さない。十一月十五日、きょうは七五三の祝い日だと云うのに、江戸城の....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
いますから、その十一月には例年の通り猿若町の三芝居に役者の入替りはありましたが、
顔見世狂言は見合せになりました。これから申上げますのは、その役者のお話でございま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
出しの作者の新作で、世話に砕けた小団次の出し物が見られようかともいう。 「朔日の
顔見世は明けの七つ時でございますよ。太夫の三番叟でも御覧になるんでしたら、暗いう....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
」
それから一松斎は、満更《まんざら》、芸道にも昏《くら》からぬ言葉で、江戸|
顔見世《かおみせ》の狂言のことなど、訊ねるのだったが、ふと、やや鋭い、しかし、静....
「孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
がバゴダ踊をおどっている。町の芸妓達は月光の下でスカリプタの恋愛小説を読みながら
顔見世の順番を待っている。私は宴のなかばを抜けて夜の孟買の街を英国の煙管から吐き....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
の饒舌な由子の傍を離れると、立附の悪い楽屋の床板を小さく鳴らしながら、あてもなく
顔見世台の方へ歩いて行った。
顔見世台の下には、町の子供等が大勢、何とはなく喋....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
差配は溜息と共に気取って頷き、 「いつ、どこでと云ってね、お前、縁日の宵の口や、
顔見世の夜明から、見えなくなったというのじゃない。その娘はね、長い間煩らって、寝....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
\し 繕ひて幾夜の冬や紙衾 炭焼の顔洗ひ居る流れかな 風呂吹の一切づゝも一句かな
顔見世や病に痩せて菊之丞 寒声は女なりけり戻り橋 有明や鴛鴦の浮寝のあからさま ....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
の年の十月でした。染之助の居る一座は、十月興行をお名残りに上方へ帰って、十一月の
顔見世狂言からは、八代目団十郎の一座が懸ると噂が立ちました。私は、二年近くも、馴....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
都上りを聴いて、皆異常な緊張を示した。が、その人達の期待や恐怖を裏切って七三郎の
顔見世狂言は、意外な不評であった。見物は口々に、 「江戸の名人じゃ、と云う程に、....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、枯野見からお定まりの吉原へ。引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町|葺屋町の
顔見世、夜の中から前景気の賑いを茶屋で見ようと、雅名を青楼へ馳せず芝居に流した、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
同十三年第二回を演じ候ひきそれより代々相伝して家の芸となづけ既に百年前までは毎年
顔見世にこれを演じて吉例といたし候ひぬ其疎豪にして諧謔なるを以て昔時江戸男児の気....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
僕も立見に行こうなどいうならんかと思いやれば、門を出でんとしてまた俄に涙を催す。
顔見世に又出して見る死絵かな 五日、英一の四七日、午後よりかさねて青山にまいる....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
て今の『中央公論』や『改造』よりも重視された頃、春秋二李の特別附録は当時の大家の
顔見世狂言として盛んに評判されたもんだ。その第一回は美妙の裸蝴蝶で大分前受けがし....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
きし葺屋町《ふきやちょう》堺町《さかいちょう》の如き雑沓を見ること能はず。広重は
顔見世乗込《かおみせのりこみ》の雑沓、茶屋|飾付《かざりつけ》の壮観を外《よそ》....