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顔見知り
「顔見知り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔見知りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
めて孤独に身を置いたような彼女は、子供のようにそれが楽しみたかったし、また船中で
顔見知りのだれかれができる前に、これまでの事、これからの事を心にしめて考えてもみ....
「競馬」より 著者:織田作之助
三度もその窓口で顔を合せていたのだ。大穴の時は配当を取りに来る人もまばらで、すぐ
顔見知りになる。やあ、よく取りますね、この次は何ですかと、寺田はその気もなくお世....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
人が女の立っている傍の席を見つけると、他の者がへっへと笑いながら随いて来る。女と
顔見知りの者は「あいつ来てへんかったか」といいながら来るのが十人のうち四人。黙っ....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
、店を出た。ところが店の前を五六間行くか行かないところで、私はギョッとした。私の
顔見知りの男が、向うから歩いて来るのである。それは帆村という探偵に違いなかった。....
「蠅男」より 著者:海野十三
邸の前で、二人は車を下りた。 扉を開けてくれたのを見ると、それは、帆村もかねて
顔見知りの大川巡査部長だった。彼は直立不動の姿勢をして、 「――私がもっぱら屋外....
「地球盗難」より 著者:海野十三
配そうな顔をして、思案にあぐんでいる風だった。 大隅理学士はその連中の中から、
顔見知りの役場の書記で古花甚平という男を探しあてて、話しかけた。 「その後、お美....
「河明り」より 著者:岡本かの子
、二室ある筈のそこへ出入りする人を見たことがない。階段を上り下りする人間は、大概
顔見知りの店員たちで、それは確に、三階の寝泊りの大部屋へ通うものであって、昼は店....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
てぼくは名津子さんと、ここに住みます』と宣言したというではございませんか。いくら
顔見知りの青年であっても、こんなあつかましいことをいって、しかもそれを目の前で実....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
(だめ、だめ。君の両親は、もうこの世の中に、生きてはいないのだ) そういって、
顔見知りの警官が、気の毒そうに、頭を左右にふるのが、まぼろしの中に見えた。 「ま....
「獏鸚」より 著者:海野十三
……。私は扉の方へ、振りかえった。 と、そこへ扉を排して現れたのは、私もかねて
顔見知りの警視庁の戸沢刑事だった。 「これは……」と戸沢名刑事は帆村の方を呆れ顔....
「古狢」より 著者:泉鏡花
んじゃないかとも思ったよ。」 家業がら了解は早い。 「その向の方なら、大概私が
顔見知りよ。……いいえ、盗賊や風俗の方ばかりじゃありません。」 「いや、大きに―....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
新姐さん。)――悉しくはなくても、向う前だから、様子は知ってる、行来、出入りに、
顔見知りだから、声を掛けて、(いつ見ても、好容色なや、ははは。)と空笑いをやった....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
者に過ぎない。旅馴れぬ旅行者のように、早く駅前へ出ようとうろうろする許りである。
顔見知りもいない。 よしんば知人に会うても、彼もまたキョロキョロと旅行者のよう....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
尾みたいにしなびた顔を、さらに青くして寝こんでしまつた。 その枕もとに、隣村の
顔見知りの千代助がヒヨツコリやつて来て、ずんぐりとした膝を折つた。 「なんとだ、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
集め、荷車に積んで引いてくるのである。あまり体がつらいのでいつも湯にはいりにくる
顔見知りのいきなねえさんに頼むと『じゃ、うちへおいでよ』との返事だった。多少の好....