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顔馴染み
「顔馴染み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顔馴染みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
も、恋愛小説に書いてあるような動悸《どうき》などの高ぶった覚えはない。ただやはり
顔馴染みの鎮守府《ちんじゅふ》司令長官や売店の猫を見た時の通り、「いるな」と考え....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
所にも小さな町があって、汚い映画館のアトラクションのビラに、ホールを追い出された
顔馴染みのアコーディオン弾きの名前が出ているのを見て、なつかしさに涙がこぼれたり....
「放浪」より 著者:織田作之助
の足で「リリアン」へ行った。女給の顔触れも変っていて、小鈴は居なかった。一人だけ
顔馴染みの女が小鈴は別府へ駈落ちしたといった。相手は表具屋の息子で、それ、あんた....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
きょうはその女が店を休んだので、お里は連れを失って寂しく帰る途中であった。彼女が
顔馴染みの林之助に声をかけたのも、ひっきょうは帰り途のさびしいためであった。この....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ったので、きょうは思い切って繁華な町の方へ急いで行った。その目算は案外に狂って、
顔馴染みのない若い職人をどこでも呼び込んでくれないので、彼はひどく失望した。一日....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
長崎屋源右衛門方へ着いたのは、巳刻《みのこく》を少し回ったばかりだった。 が、
顔馴染みの番頭に案内されて、通辞、西善三郎の部屋へ通って見ると、昨日と同じように....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことを聞きましたので、わたくしはすぐにそのお北の家へたずねて参りました。お北とは
顔馴染みでございますので、本人に逢ってその赤児をみせて貰いますと、なるほど立派な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来ていた見送り人はやはり芝辺の人達が多かったので、あとから来たおまきの見送り人と
顔馴染みも少なくなかった。 「やあ、おまえさんもお見送りですか」 「御苦労さまで....
「わが町」より 著者:織田作之助
こで会うたな」 いつか柳吉は蝶子といっしょに河童路地へ来たことがあり、その時の
顔馴染みであった。 「――この頃どないしたはりまんねん?」 〆団治が言うと、柳....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
たが、今度の一件に就いてはまったく何にも知らないらしく、甚吉も伊兵衛も座敷だけの
顔馴染みで、ほかに係合いはないと澄ましていましたが、それは嘘で、どっちにも係合い....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
であり、私もまた屡※「南へ行く」たびに他アやんの店へ寄っていたから、他アやんとは
顔馴染みであった。 私がこの他アやんを見舞ったのは、確か「復活する文楽」という....
「放浪」より 著者:織田作之助
の足で「リヽアン」へ行った。女給の顔触れも変っていて、小鈴は居なかった。一人だけ
顔馴染みの女が小鈴は別府へ駈落ちしたといった。相手は表具屋の息子で、それ、あんた....
「妖影」より 著者:大倉燁子
に散歩している西洋人の後姿が見えていた。 私も起きると直ぐ甲板を散歩した。段々
顔馴染みの人が出来てきて、出会う度にお互に声をかけるようになった。私は何となくか....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
は新聞以外でも見ているので、何となく親しみを持てた、先方は知らなくても、こっちは
顔馴染みなので、初対面の人に面会に行くような気はしなかった。 本庄はなるべく好....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
業などについては、未だかつて一言も漏らしたことがないので、そこの主人でもただ長い
顔馴染みというだけで、恐らく私については殆ど何事も知らないだろう――そのどこの誰....