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顕官
「顕官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顕官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
得意の時で、昨年は英吉だけ欠けたが、……今年も怪しい。そのかわり、新しく福井県の
顕官が加わるのである…… さて母屋の方は、葉越に映る燈にも景気づいて、小さいの....
「安重根」より 著者:谷譲次
ハル・ホテル主人ヤアフネンコ、露国蔵相ココフツォフ、随行員、東清鉄道関係者、露支
顕官、各国新聞記者団、写真班、ボウイ、日本人警部、日露支出迎人、露支両国儀仗兵、....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、バイオリン、風琴、オルガンを珍重すること傘を洋傘に見換える如くであった。朝野の
顕官は鹿鳴館に集まって屈辱ダンスの稽古に夢中になり、洋行帰りの尊敬される事神様の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ているのであった。 その話を聴いて、円智も眉をひそめた。 「それはおそらく高位
顕官の家のむすめか妾で、なにかの子細あって家出したものであろう。それをみだりに留....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
った人であるが、名誉心が強すぎて、なおその上の出世を望み、附合いを派手にして日夜
顕官に饗応し、かえって馬鹿にされておまけに財産をことごとく失い、何もかも駄目にな....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
例の鷁首の船を泛べて、半ば紫の幕を絞った裡には、鎌倉殿をはじめ、客分として、県の
顕官、勲位の人々が、杯を置いて籠った。――雨乞に参ずるのに、杯をめぐらすという故....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ました。――峠の一軒家を買取ったのは、貴婦人なんです。 これは当時石川県のある
顕官の令夫人、以前は某と云う一時富山の裁判長だった人の令嬢で、その頃この峠を越え....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
道へ屍骸を晒らした者は班長ばかりではないのであった。先刻も云った通り政府筋の高位
顕官が殺されたのみならず南方は広東でも民党の有力者が殺された。そうかと思うと北方....
「回想録」より 著者:高村光太郎
の往還りに彼処を通るので、始終立寄って見ていた。あの像は、南洲を知っているという
顕官が沢山いるので、いろんな人が見に来て皆自分が接した南洲の風貌を主張したらしい....
「外務大臣の死」より 著者:小酒井不木
われたのであって、当夜は首相をはじめ各国務大臣夫妻、各国の使節夫妻、その他内外の
顕官が招待されて一堂に集まることになった。その日は朝から空模様が頗る不穏であって....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
は地租改正のために竹槍席旗の暴動を醸したるその余炎未だ収まらず、況んや現に政府の
顕官中にも竊に不平士族と気脈を通じて、蕭牆の辺に乱を企てたる者さえなきに非ず。形....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は銅像製作で知名の人となっている、本山白雲氏があります。氏は土佐の人、同郷出身の
顕官|岩村通俊氏の書生をしていて、親を大切にして青年には珍しい人で美術学校入学の....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
くようになって、演劇改良の声が四方から湧いて来たのであった。明治十九年には朝野の
顕官名士を賛成者として、“演劇改良会”なるものがすでに発企されていた。その宣言は....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
女形なり。 ○六月、新富座の本建築落成。七、八の両日を以て盛大なる開場式を行い、
顕官紳士一千余名を招待す。舞台開きの狂言は「松栄千代田神徳」にて、団十郎、菊五郎....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
その時、夫のモデスト・アレクセーイチが入って来た。……その彼までが、平生高位
顕官の前に出ると必ず持ち出すことに決めているあの媚びるような、甘い奴隷的崇敬の表....