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顕然
「顕然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顕然の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乱世」より 著者:菊池寛
であった。 先般松平越中守依願帰国被仰候処|豈料ラン闕下ニ向ツテ発砲始末全ク反逆
顕然不得止速ニ桑城退治ノ折柄過ル二十一日石川宗十郎ノ家来ニ托シ歎願ノ趣有之旁々万....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
円の返金を促しつ。証書面の借り主は名前も筆跡もまさしく千々岩安彦、保証人の名前は
顕然川島武男と署しありて、そのうえ歴々と実印まで押してあらんとは。先方の口上によ....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
は腹に弾丸を有って、置去の憂目を見ている奴が其処らに居るのではあるまいか。唸声は
顕然と近くにするが近処に人が居そうにもない。はッ、これはしたり、何の事た、おれお....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
いと思うのは十の時死別れた祖母の面《かお》だ。 今でも目を瞑《ねむ》ると、直ぐ
顕然《まざまざ》と目の前に浮ぶ。面長《おもなが》の、老人だから無論|皺《しわ》は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かにしたらいいであろうか?
またそれはともかくとして、一つの事実がすべての上に
顕然としてそびえ、彼の考えは常にその点に戻っていった。すなわち恐るべき違反の罪を....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
も、死して人に食せられては、放善坊をも泣かしむるのである。人生の理はかくの如くに
顕然たり。余もまたよく己がツトメを果して死せざれば、ただ春日山の怪物にすぎざるべ....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
んということをするだね? そんなことすると罰が当たりますぜ。おまえさん。大明神の
顕然なのを知りなさらんのかね?」 祠の前に住んでいる湯沢医者が、髯を扱きながら....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
とが、別々な批評精神に基いていると想像することは、あまり尤もでない。批評活動には
顕然又隠然、一貫した批評のメカニズムがあり、体系がなくてはならぬ。組織的な方法が....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
なることは疑いを容れぬものであらねばならぬ。何となれば、古記は古令の註釈たる証拠
顕然なるものであるから。しからば「養老の令なるが故に火葬の事ある筈なり」の貞丈の....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
)正月将軍は再び上洛し、右大臣従一位の叙位をうけ、朝廷に十五万俵を献じ「公武一和
顕然」たるものだった。二月の綸旨《りんじ》に、 「豈料《あたはか》らんや藤原|....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
結実とともに幹葉の枯れるのを死と信じたのである。加うるに我国にも天父地母の思想は
顕然として存していた。即ち蒼天を父とし大地を母とし、総ての自然物は、この天父地母....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
同士が行きずりに持つ、自負心と自負心との反溌しあう妙な敵愾心など、武蔵のひとみに
顕然と読まれるので、武蔵もおのずから、 (何者か?) と、彼の存在を疑い、 (....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
うことも、思い合せば、原因はその方にあったかもしれないのである。 いや、もっと
顕然たる証拠には、お甲が、往来で揚げたわずか一声で、もうわらわらと駈け寄った附近....
「三国志」より 著者:吉川英治
漢中には還らぬであろう) となしている孔明の気魄は、その地点と軍容から観ても、
顕然たるものだった。 しかもなお、司馬懿が、額を撫でて、 「まずまず、これで味....