顛末[語句情報] »
顛末
「顛末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顛末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
られたんですか?」
「いや、ずっと後《うし》ろにいたんです。」
保吉はさっきの
顛末《てんまつ》を話した。中尉は勿論葬式の威厳を傷《きずつ》けるかと思うほど笑い....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
うのは、その滞在中《たいざいちゅう》その別荘で偶然私が耳にしたある悲惨な出来事の
顛末《てんまつ》である。
その住居《すまい》のある所は、巨鹿城《ころくじょう》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
云う場合には、気味の悪い輝きを加えるのだった。
旅団参謀は将軍に、ざっと事件の
顛末《てんまつ》を話した。が、将軍は思い出したように、時々|頷《うなず》いて見せ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
、細川越中守宗教《ほそかわえっちゅうのかみむねのり》を殺害《せつがい》した。その
顛末《てんまつ》は、こうである。
―――――――――――――――....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
に笑えり。白糸は再び煙管を仮《か》りて、のどかに烟《けぶり》を吹きつつ、 「今の
顛末《はなし》というのを聞かしてくださいな」 馭者は頷《うなず》きて、立てりし....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
われた。 近所の人々が来てくれる。親類の者も寄ってくる。来る人ごとに同じように
顛末《てんまつ》を問われる。妻は人のたずねに答えないのも苦しく、答えるのはなおさ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
た焼出された宿直の一人が、富田の店員が三人屋根伝いに逃げて来て助けて呉れと云った
顛末を語っていた。其傍に同じ焼出されの宿直が素綿入の寝巻に厚い駱駝の膝掛けを纏付....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
った。ファラデーの友人はこの話をきいて怒り、ファラデーの知らない間に、この面会の
顛末を「フラザー雑誌」に出し、それがまた十一月二十八日の「タイムス」に転載された....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に対する評論を掲げたり。先生その大意を人より聞き余に謂て曰く、兼てより幕末外交の
顛末を記載せんとして志を果さず、今評論の誤謬を正す為めその一端を語る可しとて、当....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、といって、それから焼芋、蕎麦、大福の謎を掛けた。申すまでもなく煙草入をなくした
顛末を饒舌ってからですが、これに対する社長の応対は、ただ今お聞かせ申した通り。 ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
憩せり。しばらくありて杉本永山氏、予に面会せんためその家に来たり、いちいち怪事の
顛末を語れり。その談話によるに、かの怪声は、必ずかの少女の身辺において発し、少女....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
申しはなすに過ぎざることに御座候。幸い御研究の御材料にも相成るべきかと存じ、その
顛末、前顕のごとく御報知及び候。なお右
顛末につき御不審のかどもこれあり候わば、そ....
「迷信解」より 著者:井上円了
請えり。かくのごとくすること再三に及びたれば、そのことついに親戚の耳に入り、その
顛末の疑わしきところあるを見、一夕その正体を発見せんと欲し、二、三人相誘いてその....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
のない声で、「逃げたのか、取られたのか、いなくなってしまった」と、見えなくなった
顛末を語って吻と嘆息を吐いた。「まるきり踪跡が解らんのかい?」と重ねて訊くと、そ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
旅店まで遁れ出でたる下枝の、何とて再び家に帰りて屠り殺さるる次第となりけむ、その
顛末を記し置くべし。 下枝は北の台に幽囚せられてより、春秋幾つか行きては帰れど....