顛覆[語句情報] » 顛覆

「顛覆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顛覆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ふぎょう》し、左右に頽《なだ》れて、片時《へんじ》も安き心はなく、今にもこの車|顛覆《くつがえ》るか、ただしはその身投げ落とさるるか。いずれも怪我《けが》は免《....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
けれども無二無三な船足の動揺には打ち勝てなかった。帆の自由である限りは金輪際船を顛覆させないだけの自信を持った人たちも、帆を奪い取られては途方に暮れないではいら....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ていた。三月三日、家内の者どもと湖水に舟を浮かべていると、子細もなしに舟は俄かに顛覆して、家内大勢がほとんど溺死しそうになった。(同上) 板橋三娘子 ※....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に付いて来た私の車の右側に衝突すると、はずみは怖ろしいもので、双方の車はたちまち顛覆した。軍医殿も私も路上に投げ出された。 ぞっと叫んだ。私のからだは完全に馬....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
力も及ばないことが判るだろう。ところが熊城君、その物質構成の大法則が、小気味よく顛覆を遂げているんだ。ああ、なんという恐ろしい奴だろう。風精――空気と音の妖精―....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
漁師はわが船を他の場所へ移した。沈んでいる船は幾人の歌妓を載せて来て、ここの浦で顛覆したのであるという。 凶宅 宋の襄城の李頤、字は景真、後に湘東の太守....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ざいます」 飛雲渡 飛雲渡は浪や風がおだやかでなくて、ややもすれば渡船の顛覆するところである。ここに一人の青年があって、いわゆる放縦不覊の生活を送ってい....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ト樽、煉瓦石、材木の端片、ビールの空壜、蜜柑の皮、紙屑、縄切れ、泥草履と、塵溜を顛覆返したように散乱ってる中を煤けた顔をした異形な扮装の店員が往ったり来たりして....
地球要塞」より 著者:海野十三
か……」 と思ったが、とたんに車体は、左に傾くと思う間もなく、呀っという間に、顛覆《てんぷく》してしまった。 そのとき、自動車の硝子戸が、うまく壊れてくれな....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
が届いたのは、このときであった。 「なんだ、三十八弾命中? しかし、ホノルル号は顛覆もしないでちゃんと浮いているぞ」 と、大統領の嘆声。そのとき金博士が傍へ近....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
けれども、この日の出来事は、儀右衛門にとると、彼が築き上げた、あらゆる仮説の顛覆を意味するのである。 もし、小六の云うのが真実だったとして、夷岐戸島の侏儒....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に一歩を譲り、幕末に際して外国干渉の憂ありしとせんか、その機会は官軍東下、徳川|顛覆の場合にあらずして、むしろ長州征伐の時にありしならん。長州征伐は幕府|創立以....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
あとに附いて来た私の車の右側に衝突すると、はずみは怖ろしいもので、双方の車は忽ち顛覆した。軍医殿も私も地上に投げ出された。 ぞっと叫んだ。私のからだは完全に馬....
革命の研究」より 著者:大杉栄
どの崇高い熱誠があり、あれほどの血を流し、あれほどの家族に喪服を着せ、あれほどの顛覆をして、そしてこんなちっぽけな結果しか得られなかったのか」――この言葉は文書....
赤い蝋燭と人魚」より 著者:小川未明
宮にあげてその燃えさしを身に付けて、海に出ると、どんな大暴風雨の日でも決して船が顛覆したり溺れて死ぬような災難がないということが、いつからともなくみんなの口々に....