類がない[語句情報] » 類がない

「類がない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

類がないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
るを知って人を誘き込む人や上の窓から虎の背後へ天降る狂気じみた人などは余り世間に類がないからネエ。 客一同も口々に「何うして一発や二発で射殺しました」「何うし....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ん」 と嘯きながら答えた。 「では」 裁判長はキッとなって云った。 「その書類がないので弁明出来ないと云うのか」 裁判長のこの弁明出来ないのかと云う問は支....
暗号の役割」より 著者:海野十三
先日彼の失った鞄を見つけたときは、はっと緊張したが、中をあけてみると肝腎の重要書類がない。何のことだ。やっぱり金庫の中か。 四時間二十分という途方もない長時間....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
も沢山な奴等が、たかが暑いくらいで、そんな状をするのではありません。実はまるで衣類がない。――これが寒中だと、とうの昔凍え死んで、こんな口を利くものは、貴方がた....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
とっては古い馴染である。あたかも私の庭の感じさえする。さてその風情の深さも、他に類がない。何しろ歴史的感情と仏像と、古寺と天平と中将姫と、八重桜と紅葉の錦と、は....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
がそれである。 村|若衆の堂の出合は、ありそうな事だけれど、こんな話はどこかに類がないでもなかろう。 しかし、なお押重ねて、爺さんが言った、……次の事実は、....
戯作者」より 著者:国枝史郎
っても居られない。で手拭で体を拭き、急いで衣装を着けようとした。どうしたものか衣類がない。式服一切下襦袢までどこへ行ったものか影も形もない。 驚いた馬琴が手を....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
頼朝義経の像を画いて三代美術の精粋をうたわれたが、殊に図中頼朝の坐像の美しさは比類がない。また、室町期以降の多くの武将の坐像、あるいは後醍醐天皇の坐像の安定した....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
る武者ぶりであるが、これぐらい竜頭蛇尾、威厳を失うこと甚しい神様というものは他に類がないようだ。せッせと忠義をつくしながら、不忠であり敵であった者が主人の親類に....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
ったはなしで、いつまで経っても鞄は出て来ない。そのうちに会議の日は近づく。重要書類がないことには、N博士が、いかに有名な雄弁家でも、国際的識人でも、ものが云えな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
山脈が連綿として浮んで居る。こういう風に湖水の中に大きな山があるというのは世界に類がないそうでございます。もちろん小さな島のある湖水は沢山にあるのですが、ヤムド....
小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
も知れない。 もちろん、親なく、子なく、妻もない孤独生活である。これも世間には類がないかも知れない。小生に勝手|気儘な自由ができるゆえんのものは、小生を束縛す....
フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
として広く用いられている。これではうまい牛肉料理のできようはずがない。 次に魚類がない。絶無ではないが、日本に比して百対一といえる程度。肉がなくて魚がない。そ....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
は売っていない。自分たちは加州金沢から取り寄せるのである。この風味はちょっと他に類がない。このわたに似て、水分の多い目方の重いものであるが、卸値百匁十五円から二....
昆布とろの吸い物」より 著者:北大路魯山人
で、ここではそうしておこう。これくらい簡単で、明瞭な美味さを感ずるものは、ほかに類がないかも知れない。 関西人はことに昆布を食いつけているので味が分り、充分に....