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「類型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

類型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
おうより寧ろ荘重の気に打たれると云った声調である。そこにおのずから人麿的な一つの類型も聯想せられるのだが、人麿は細々したことを描写せずに、真率に真心をこめて歌う....
水の女」より 著者:折口信夫
どまったのは、無理もないことである。実は、詞章自身が、口伝えの長い間に、そういう類型式な理会を加えてきていたのである。 一番これに近い例としては、神功紀・住吉....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
倅と娘が恋に落ちたという話なら、何千年前のギリシャにも、何百年前の日本にも、又、類型はいたるところに在ったことは、私が今さら例をあげるまでもない。異教徒の恋、異....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
歌だというが、決して決してそんな事は無い。歌聖西行法師たるもの、こんなつまらない類型的の歌を、なんで臆面も無く読むものか。 が、併し、衣ヶ崎は諏訪湖中での絶景....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ニのような娘を悦ばせるかわりに、かならずただじゃ済ませない。よく、世間にあるあの類型ね?」 「…………」 「ところが」 と、云いながら、ヘミングウェー嬢は痛そ....
文学座『夢を喰ふ女』を演出して」より 著者:岸田国士
ねばならない。したがつて装置、衣装、メーキャップのようなものは、本来ならなるだけ類型をさけて、様式化したものでやりたいが、現在経済事情その他の理由で演出意図通り....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
の中に、その人物の理想像を先ず描いてみなければならないのに、その理想像が、一種の類型に堕するということは、文学的な人間研究が不十分で、常識の範囲に止っているから....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
が、今日では、興味本位のどぎつい「大芝居」の意に用いられる。筋は波瀾万丈、人物は類型的、泣かせたり笑わせたりすればよいという風な人を喰つたものであるが、この手法....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ほかにないかとウの目タカの目で探しても、オイソレと見つかるものではない。シャレは類型をさがして、お手本に似せようと心掛けるようでは、もうシャレ本来の精彩を失って....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
た。かけあい歌が、乞食者の新叙事詩の影響をとり入れて行く中に、しろうとの口にも、類型風の発想がくり返される事になった。そうして其が民謡を生み、抒情詩と醇化して行....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
も其を強いても断絶させて行かなければ、生命ある表現の出来ないと言う国語の系統や、類型から離れた表現が期待せられる。古語の場合もそれに似て、近代語の持つ平俗な関聯....
役者の一生」より 著者:折口信夫
見つけられ、それからいろいろの悪いことをするというようなものは昔からある戯曲上の類型であり、説経|浄瑠璃にもあるもので、これは変えられない。それでそういうものが....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
た方が、読者の知識を利用することが出来るからと言うのではない。殆無意識に出て来る類型と択ぶ所のない程度で、化尼になる前型らしいものでも感じて貰えればよいと思うた....
夜の構図」より 著者:織田作之助
できなかった。 冴子は田舎娘に扮して、絣の着物の裾から白い脛を出していた。実に類型的な田舎娘の扮装だったが、冴子はどうみても田舎娘になり切れなかった。眼が理智....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
村鶴蔵で、喜多八が中村伝五郎であったが、どちらも現在の俳優のうちにはちょっとその類型を見出だしにくい芸風の人々で、取り分けて鶴蔵は先天的の道化役者であった。眼瞼....